喫茶店にて | 甲南大學應援團OB会のブログ「雲外蒼天」

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甲南大学応援団再建物語
~黄霧四塞すと雖も、上に蒼天なきに非ず~

應援團の世界では時間厳守は徹底されておりますので、応援やOB会事務局訪問、義理事等々、外出する際は、かなり早めに目的地周辺にいる事になります。早く着いても時間を持て余す事が多いので、近くの喫茶店に入ったり致します。


昼時とかでありますと、そのまま食事となる事も再々あります。基本的に下級生は「押忍、自分も同じ物を」と上級生と同じ物を頼む事が一般的な姿でありますが、上級生は食事を済ませている場合等は、以前もご紹介させて頂いたかと思いますが、提供時間が早く食べやすいカレーライスを頼むのが下級生のたしなみであると教えられます。万事、スピーディでなければならない訳であります。


さて、下級生のこの「自分も同じ物を」という頼み方がしばしば過ちの元になる事がございます。今でこそ余り耳にする機会が減りましたが、昭和の関西地区ではアイスコーヒーの事を「レーコー」と呼称している人が多数おられました。冷コーヒー=レーコーという訳ですが、知らぬ人が聞けば間違いなく頭に無数のクレスチョンマークが飛び交います。上級生が「ワシ、レーコー」「ワシもレーコーや」等とオーダーし、即座に「押忍、自分も同じ物を」とお願いし、レーコーの正体を楽しみに待っておりますと、何の事はないただのアイスコーヒーが提供される訳であります。


ある時、下級生だけで團務の帰りに喫茶店に立ち寄り、ドリンクをオーダーし始めます。すると数日前、幹部衆の付き人として終日、過ごしていた團員がおもむろに「ねーちゃん、ワシはアールグレイや」とオーダーするではありませんか。耳慣れぬ単語に色めき立つ他の同期團員達。オーダーした本人は鼻高々に「毎回、同じ物を注文しとっても芸がないで」と薄ら笑いさえ浮かべている始末。

しばらくすると頼んだドリンクがそれぞれの所に運ばれて参ります。アールグレイ團員は足を組んで優雅な姿勢でカップを口につけるなり「何やこれ?紅茶やないけ!」と仰天しております。幹部衆のお付をしていた時に入った喫茶店である幹部がオーダーしていたのを聞きかじって、正体すら確認せず、頼んでしまった訳であります。


ふと入った喫茶店でアールグレイを注文するお客さんを拝見するとそんな時間を思い出す今日この頃であります。


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