本山村怪々奇團【34】 | 甲南大學應援團OB会のブログ「雲外蒼天」

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甲南大学応援団再建物語
~黄霧四塞すと雖も、上に蒼天なきに非ず~

第34話 花【後編】


OBの見舞いに行く道中で幹事長がふと思い立った様子で

「なあ、見舞い用の花で10万円は多いと思わへんか?」

と團長に率直な疑問をぶつけます。同様の疑問を抱いていた團長氏と幹事長氏は議論を重ね、得た結論は「手間賃込の費用に違いない」という極めて都合の良いものだったのであります。

考えてもみれば、我が團に草花に詳しいOBがいるとも思えず、合理的な推測を重ねていけば、落ち着くべき妥当な判断であろうと確信を深めます。


こうなると話は早く「これはシノギである」という認識の下、花屋に駆け込んだ幹事長は花屋のお姉さんに「5万円で10万円相当に見える花を下さい」という何とも珍妙なオーダーを致します。怪訝な様子のお姉さんもそれらしく花を見繕って下さいまして、花をゲット。5万円分とは言え、かなりのボリュームでありまして、5万円分も10万円分もこれなら見分けはつくまい、と安心し、花を担いで一路、病院に向かいます。


さて、入院しているOB氏にとっては現役の訪問は青天の霹靂ではありますが、嬉しい出来事である事には変わりありません。しかも普段、ご無沙汰している会長からも花も頂戴したのですから、感激も一入であります。

現在の活動状況やそのOB氏に近い年代のOBの近況などをご報告し、一頻りお話させて頂いた後、退散させて頂く事に相成りました。

ご挨拶をし先輩の一日も早い快癒を祈念申し上げ退室する2名に対し

「おい、お前ら、今回はこれでなんぼシノいだんや?」

と意味ありげに笑いながら尋ねるOB氏。何とこれも伝統であった様でありますが、さすがに半分をシノいだとも言えず「交通費程度を…」と言葉を濁し逃げるように立ち去るのでありました。


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八代目甲雄会広報委員会