「日本酒をストローで飲むと早く酔ってコストパフォーマンスが良い」などという噂話がありまして、鵜呑みにして試したりもしますが、余り変わり映えはしない様でした。さりながら同期と嫌な先輩の悪口で大いに盛り上がったりしまして、酒の勢いも相俟って気分は益々、高揚して参ります。
今でこそ夜の街にキャバクラは欠かせぬ存在になっておりますが、彼らが在籍した頃は三宮には「スクールメイツ」というお店1軒しかありませんでした。希少価値があったせいか料金も現在に比べると高く1人1時間1万円くらいだったでしょうか。小銭しか持たぬ1回生君にはまさに異次元ワールドであります。
しかし毛深い心臓の彼らは、販売機で手に入れた酒類がなくなりますと、キャバクラへと向かいます。月末払いが出来る程の信用も営業力もなく、また出来たところで肝心の支払い能力はそれ以上にありません。
どうするのかと思っておりますと、彼らは店内に入り2名である旨を伝え、混雑しているので空席が出来るまで待つ様、店員さんに言われます。この時期はキャバクラの黎明期であり、俄かに人気が出て参り、三宮唯一のこのお店は夜な夜な大繁盛しており、常時、待ち客がいる程でした。
そんな待ち客の為に店の入り口付近にバーコーナーを設け、待ち時間の間、フリードリンクが提供されるシステムになっていたのであります。そうなのです、彼らはこのシステムを知っておりまして、店が混雑しているのを確認してから入店した訳であります。
待ち時間は得てして読めませんので、慌てて水割りを立て続けに頼んで飲み干すと、「急用を思い出した」だの「門限が…」などと適当な事を言って、キャンセルをして店を立ち去るのであります。無論、ドリンクは待ち時間のサービスなので請求されません。何と面の皮の厚い連中でありましょうか。
甲南大學應援團OB会
八代目甲雄会広報委員会