不特定多数の観客の一体感を高める為、多くの方にとって馴染み深い楽曲としてアニメの主題歌が利用されている事を前回、記しました。これはアニメに限らず歌謡曲、演歌、童謡、民謡、軍歌、戦時歌謡、要は何だって良い訳でありますが、有名な曲であれば良いのであります。
ただ有名であればある程、既にどこかの大学で使用されている訳でございますので、オリジナリティを大切にする大学應援團は、未だどの校も使用していない名曲を血眼で発掘する事になります。
とは言え、実際には同じリーグ内では被らない様にする程度で、同じ曲を複数の應援團が使用しているケースはままあります。
我が團の場合、長らく吹奏楽部もチアリーダーも持たず、太鼓一張と声、手拍子のみでの応援が主流でありましたので、この様な応援歌の必要性はありませんでした。しかし平成2年に吹奏楽部が創設されるに至り、他校に随分、遅れて第二応援歌の制定作業が進められました。
公募、團員による投票など、様々な手法が考えられそうですが、実際には團長の一声で決まりました。ある日、突然「この歌を第二応援歌にしよう」とそれらしく歌詞を付けて、決められました。急遽、歌詞と楽譜が配布され、振りも急拵えで何とか形を整え、あっと言う間に第二応援歌が誕生したのであります。
その原曲は上記の様な観点から選ばれたのでありますが、「サイボーグ009 」なのであります。果たして不特定多数の大半にとって馴染み深いか否かは甚だ疑問ではありますが、他校との重複は避けられていた様に感じます。
制定が平成2年でありますが、その約5年後、歌詞も1番だけだったものに2番が追加され、単調だった振りもより精練された型へと進化しております。
ただ惜しむらくは、應援團員以外の在校生にとっては殆ど浸透していない、と申しますか浸透させる努力が不足していた点でありましょう。より多くの方に親しんで頂ける事が名曲たる所以であると考えます。
甲南大學應援團OB会
八代目甲雄会広報委員会