今やチェーン展開のファーストフード店全盛の世でありまして、日本全国、至る所で馴染みの味が低価格で楽しめる様になっております。
斯様な流れも近年、急速に進んできたものでありまして、昭和の御代における地方都市・神戸では、今ほどはチェーン店全盛ではなかった様に感じます。
そんなチェーンの草分け的存在の一つであるのが吉野家でありましょう。牛丼なる食べ物をここまで著名にしたのは吉野家なくしては語れないと言っても過言ではありません。今ではライバル店の価格攻勢に、時として300円未満で食べれる様になっておりますが、筆者が現役時代は並盛370円でありました。学食ではうどんが120円、定食が260円~でありましたので、やや割高感がありましたが、大変、美味しく頂いておりました。
さて、現役当時は少し動けば腹が減るものですから、1日5回は食事をしていた様に思います。その中、吉野家に行っても並盛では全く満腹になりません。100円を足せば大盛に出来るのですが、それでもご飯が少々、多く盛られているだけですので、焼け石に水であります。並を2つ食べれば、それなりに胃袋も落ち着くのでありますが、並盛2人前740円也は修業中の團員の懐には厳しく、紅生姜をこれでもか乗せて腹の足しにならないか検証したりしたものであります。
その中、編み出したのが、並盛370円+白ご飯100円のセットであります。計470円は大盛と変わらない値段でありますが、ご飯は2人前分ある訳ですので、コストパフォーマンスは高いのでございます。このセットを頼むと、まずは並盛に乗っている具材を全て白ご飯の上に乗せます。そして具材が去った方の丼の白ご飯には出汁がかかっておりますので、紅生姜をてんこ盛りにして、一気に流し込みます。そしてもう一方の丼の方は具材と共に白ご飯を食べるという訳であります。
この組み合わせは腹持ちがよく愛用しました。とことん金欠の團員は(白ご飯100円+生卵50円)×2、300円也の卵かけご飯2人前セットを食べておりましたが、余り他でそういう人を見かけた事はありません。
たまに吉野家に寄った時に、ふとそんな事を思い出す今日この頃であります。
甲南大學應援團OB会
八代目甲雄会広報委員会