優等生は「若」様(11) | 甲南大學應援團OB会のブログ「雲外蒼天」

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甲南大学応援団再建物語
~黄霧四塞すと雖も、上に蒼天なきに非ず~

思考法は至って単純明快でありますが、組織人としてはしっかりしている清水、さすがに報連相は徹底しておりまして、團室に向かう道中、車載電話より自身が仕える腹心氏に事の次第を報告しておりました。
草彅君のパパの腹心にあたる、小林旭並の貫禄とオーラを漂わせる人物は、所用で出かけていた大阪で部下の清水よりその報を受けました。他ならぬ自身が社長より「息子を頼む」と仰せつかっているのでありますから、即座に全ての予定をキャンセル、一路、神戸に向かいます。


ギターこそ抱いていないものの、渡り鳥シリーズで名を馳せた旭だけあって、凡人では到達し得ぬ時間で神戸に向かいます。式を終えた新郎新婦が乗っているのでは?と思ってしまう程、異様に車体が長い白塗りの高級外車が、学友会館の前に凄まじいブレーキ音と共に登場します。

慌てず騒がず、二人のボディガードを従えて、尋常ではないオーラを振りまきながら、團室の階段を悠然と昇る小林旭。團室に入り草彅君の姿を認めると軽く会釈し「若、ご無事で」と声をかけますと、その一声だけで團室に静寂が戻ります。清水、千代大海、蝶野、Tは最敬礼で「ご苦労さんです!」の挨拶、成田にとっても叔父分にあたる訳ですから、立って頭を下げざるを得ません。


鷹揚に清水からの状況報告に耳を傾ける旭。取調室に連行された悪ガキの様に小さくなる成田、俯いたまま今生の別れになるかもしれぬ小指と睨めっこするキム兄。しばしの静寂の後「成田。お前、いつからウチの社長の若をどやしつける程、偉くなったんや?」と静かに尋ねる旭。


仰天する三樹夫とキム兄。「ええ!伯父貴の社長の若??」そうなのです、彼らにとって草彅君は先の副将軍 水戸光圀公の如き存在だったのであります。小林伯父貴の関係者かと思わないでもなかったのでありますが、さらにその上の社長ともなれば、雲上人でありまして、草彅パパは本社では役員でも上の方に名を連ねる超大物。平身低頭、穏便に事態を収拾頂ける様、旭に懇願するより手段が浮かばない成田&キム兄でありました。


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