山口組三代目 | 甲南大學應援團OB会のブログ「雲外蒼天」

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甲南大学応援団再建物語
~黄霧四塞すと雖も、上に蒼天なきに非ず~

暴力団排除条例が施行され、程ないと言うのに、何と刺激的なタイトル、気は確かか?との声が聞こえて来そうな気がしないでもありませんが、それは杞憂でありまして、前回 に続き東映の名作映画「山口組三代目 」のお話であります。かの淀川長治氏を輩出した神戸っ子を自負する私共が映画評論をするのに何の不思議がありましょうや。

 

この作品、DVDにはなっておりませんがビデオ化はされておりましたので、上映後もビデオを鑑賞する團員が後を絶たない訳でありまして、ズッポリその世界にハマったのが上級生だったりすると、下級生は悲惨な目に遭うというお話を紹介しましょう。

 

前夜、自宅でレンタルしてきた同映画のビデオを鑑賞し、更に気に入ったシーンを繰り返した観ていた某幹部。常に眉間に皺を寄せ気難しそうな顔をしておりまして、頭は一糸乱れぬ、今風に言えば竹内力顔負けのアイパーであります。

性格は至って短気でありまして、團室で彼のピカピカに磨いた革靴が階段を上ってくる足音が聞こえて参りますと團員は、陶器製の灰皿をそそくさと片づけ、軽いアルミ製の灰皿に取り替えます。何かの拍子で怒りが頂点に達し、いつもの如く灰皿を投げつけられた時の被害を最小限に抑える為の生活の知恵であります。

 

さて、この日、團室に入って来た竹内幹部の頭を見て團員は仰天します。自慢のアイパーは角刈りに変わっており「何か、下手うったんやろか…」と言い様のない不安に襲われながらも練習へ行く支度を始める下級生達。

その中のリーダー格である3回生に竹内幹部は声をかけます。「お前は後輩の面倒見がエエのう。よし、お前の仇名は今日から"チェーストのマツ"や」などと意味不明な事を言います。

「押忍」としか答えようがないのでありますが、山口組三代目の中で若き日の主人公を演じる高倉健に目をかける田中邦衛演じる”チェースとのトヨ”という人物が登場します。このインパクトのある名前を呼んでみたかっただけに過ぎません。

 

発音してみればお分かりかと思いますが、実に面倒くさい。飽きるのも早い竹内幹部はしばらくすると「チェ」呼ばわりになっております。数日もすれば皆から「チェ」「チェ」と呼ばれ、他部の後輩にまで「チェ先輩」と呼ばれる始末。すっかりどこかの在日外国人かキューバからやってきた革命家みたいになってしまい我が身の不運を嘆く悲しい3回生でありました。

 

他にも悪漢政ならぬ悪漢英、名前のどこにも「八」の字がないのに八ちゃんと呼ばれる同期、被害者は拡大する一方であります(当然、意味が分からないかと思いますので、動画 で一度、本編をご覧になられる事をお勧めします)

【チェーストのトヨの情に涙する田岡一雄】

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さて、こうなりますと練習は悲惨を極める訳でありますが、下級生は学年事に並んで練習を行い、その列の中を上級生が見回り、指導を行うスタイルなのでありますが、竹内幹部は日頃より「怒りん坊リキ」だの「発狂寸前」だのと陰口を叩かれる暴れん坊、背後に忍び寄る気配が竹内幹部と分かると下級生達は緊張感に包まれます。

 

竹刀片手に練習場を逍遥する竹内幹部、ある下級生の横にふと立ち止り「あんたが組合長か?」と呟きます。「??」戸惑う下級生に竹刀が一閃するのでありました。ここに至り"発症"を知った同期の八ちゃん幹部が、さりげなく下級生の負担が少ない練習メニューに変更し、後輩達は被害を最小限に留める事が出来た訳でございます。

 

練習後、團室で竹内幹部が下級生を呼び「このビデオを返して来い」との指示を出します。「押忍」と捧げ受ける悪漢英に「せや、ついでに続編三代目襲名 を借りて来い」と恐ろしい事をさらりと宣う竹内幹部。

元気よく返事をし團室を出たものの、暗澹たる気持ちになる悪漢英に八ちゃん幹部が「レンタル中やったと言うとけばエエわ」との有難いアドバイス。「今度はワシがトプキンと呼ばれたらかなわん」と肩をすくめ立ち去る八ちゃん先輩の背中をいつまでも見送る悪漢英でありました。

 

※映画をご覧になられた事がない方には大変、難解な内容になった事をお詫び申し上げます。

 

八代目甲南大學應援團OB会

広報委員会