優等生は「若」様(10) | 大学應援團に関する考察を支援するブログ

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かつて地方都市に実在した應援團の赤裸々な日常を通じ、大学應援團とは何を考えるブログです。

事情もよく飲み込めないまま草彅君に團室に連行されたシミケンでありますが、成田の姿を認め、息を吞みます。「あっ!成田やないけ!」「なぬ?健太郎?」成田兄貴も同業者、しかも顔見知りの登場に驚きます。





そうなのです、成田と清水、厳密に言えば別会社でありますが、元を正せば同じ巨大コンツェルン内の身内でありまして、両者共に出世株と言われ、貫目も五分であり、狭い神戸の中で互いにライバル心に燃える中だったのであります。


成田はただ驚くだけですが、清水はそうは参りません。斯様な物騒な男(本人も人の事は言えませんが)が介入する場所で自身が仕える社長がさらに社長と仰ぐ人物の御曹司=若、が困っている=成田は敵、という等式が鮮やかに脳裏に浮かび、浮かんだ時には既に怒りは頂点に達していたのであります。




両者共に、感情や考えが脳で演算され言語として口に到達するより、頭に血が上るスピードの方が断然、優っておりましたので、二人の論争は当事者そっちのけの支離滅裂ぶり。激しさを増す口論に、キム兄も三白眼を剥いて健太郎を睨みつけておりますし、負けじとシミケンの背後で控える舎弟衆、千代大海、蝶野正洋、Mr.Tは既に身構えて戦闘態勢に入っております。





キムタク團員の頭の中には「仁義なき戦い」のテーマが「かくして血で血を洗う代理戦争の火蓋は切って落とされたのである」というナレーションと共に流れていたのであります。





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