前回のレポートで、JR駒込駅から徒歩3分の〝蕎麦いなり〟が実は2018年ミシュランガイド掲載店の〝中華そば きなり〟の店舗であったこと。店名も〝きなり〟にあやかって〝異成(いなり)〟としたこと。江戸蕎麦の立ち食いそばであるが、きなりの天才シェフ土橋さんから中華そばのレシピを引き継いだことを述べた。こうなると二味目の中華そばが食べたくなる。今日は3回目の訪問。
いよいよボタンを押す。
「そば」の表記は中華そば。「蕎麦」の表記は江戸蕎麦である。
「中華そば」の製法は、土橋シェフから引き継いだ。使用している麺もきなりと同じ「三河屋製麺」。
そして土橋シェフが残したレシピは駒込の人が好きな「しおそば」。しおそばを食べるとこの店は今でも〝中華そば きなり〟なのだ。
でもボクは折角だから醤油にこだわりラーメン好きな稲澤店主の醤油ラーメンが食べたい。
〝特製しょうゆそば(中華)〟のボタンを押した。
〝特製しょうゆそば〟(1050円)と味玉(100円)と〝肉増し(鶏)〟(200円)。どんぶりは凄く肉肉しい豪華なお姿。稲澤店主が呆れてる。(笑)
中華麺もいい感じ。立ち食いそば屋のラーメン。不思議な気がする。
中華麺の味は、まさに、きなりの絶品。
そして驚いたのはこのスープの味。メチャクチャ旨い。
特製しょうゆそばの返しは未確認だが本返し。出汁も鰹だしと思われる。土橋シェフの醤油ラーメンも鰹節や煮干しなども使っていたのでいなりときなりの醤油の中華そばは基本的に違わないと思う。
しかし、稲澤店主の思いは特製しょうゆに込められる。隠し味には紹興酒、黒酢、八角、シナモンが使われて深みが増している。この味ならきなりの常連でも文句は言わない筈だ。と言うより、新しいラーメンの可能性をいなりは切り拓いたと確信する。
中華そばきなりは、駒込の後、東中野に移転。そしてその後、また新所沢に移転。ところが先月の27日に〝中華そば きなり〟は火事で全焼してしまった。再開には時間を要すると思われる。暫くは、レシピを残した駒込や東中野に行くしかない。
特製しょうゆそばの旨さに驚いたボクに稲澤店主は、笑いながら今度は〝しお蕎麦〟を食べてくださいと・・・。多分、食べないと〝蕎麦いなり〟の真髄がまだ分からないのだろうということだろう。駒込通いはまだ続く。
【お店へのアクセス】
東急バス(黒02) 二子玉川 ⇒目黒駅
都営三田線 目黒⇒巣鴨
徒歩 巣鴨⇒蕎麦いなり
※ 今日も交通費0円