もしあなたが、立ち食いそばファンだったら、四谷駅前にあった「政吉そば」の名前を知っているかも知れない。2013年に、オーナーが健康上の理由で閉店した。しかし間髪を入れず、2014年1月30日に〝四谷政吉〟として復活。個人経営のお蕎麦屋さんの場合、後継者問題は多くの場合避けて通れない重要課題だ。政吉そばの場合も深刻だったが、救世主が現れた。政吉そばに蕎麦関係の食材を提供していた企業が手を差し伸べた。だから、オーナーは代わっても蕎麦の味が殆ど変わらなかったのである。しかも新オーナーは旧店のオーナーと兄弟弟子にあたる人。理想の引継ぎだった。
四ツ谷駅を降り、外苑通りの横断歩道を渡ると、四谷三丁目方向に向かう新宿通りに並行する〝しんみち通り〟がある。この通りには、昔から飲み屋やラーメン屋などの名店が居並び、近隣のサラリーマンや上智大学等の学生たちのオアシスになっている。ワタシも銀行員時代、この通りのどんつきに銀行の厚生施設があり、送別会などによく利用。その0次会や2次会にこの通りのお店にお世話になった。そのしんみち通りを入ってすぐ左手にある。
しかもこの四谷政吉がある場所は、江戸時代最初のそばうどん店〝太田屋〟の跡地。当時、江戸でも蕎麦を栽培していた場所があったが太田屋は信州の蕎麦粉を用い黒くて安い6割そば打って人気を博していた四谷の太田屋定五郎。四谷〝馬方そば〟の俗称で親しまれていた。
案の定、人気は衰えていなかった。ランチタイムを過ぎていたが、食券を買って外の椅子に座って待つ客が数人いた。
選んだのは、旧店以来の名物〝小海老天温つけそば〟(550円)。
食欲をそそる蕎麦の姿。はやる心を抑えた。
小海老天ぷらもからりと揚がっている。
つけ汁にどぼん。いい感じだ。口の中は既によだれが充満。
いよいよ箸でつまんで・・・。ずるずるっと・・・。
現在は、コロナのために、営業が不規則。さらに店主が3か月前に病気で倒れ、現在はリハビリ営業。ツマミが定評の夜営業も自粛要請でしばらくはお預けだ。店主の元気回復支援に蕎麦喰いで応援してください。
訪問は、facebookの〝四谷政吉〟で事前確認をお願いします。