シルバーパスを利用するようになって気がついたことがいっぱいある。今までは、都内の移動は殆どが電車。早くて、確実に時間通りに目的地到着できる。トイレに行きたくなってもどの駅にもトイレがあるから心配はない。バスは、交通渋滞に巻き込まれる。乗り継ぎをすると5分の遅れで次のバスに乗れない。トイレも早めに行っておかないと後悔する。

 その反面、同じ目的地へのルートもさまざまあり、ルート沿いに有名な施設やお店を発見する。この歳になって小学生の遠足のようにワクワクしながら車窓を愉しむ。今回ご紹介する立ち食い蕎麦屋も新宿西口から渋谷に向かうバスの車窓で発見した。

新宿駅西口から渋谷駅に向かう京王バス(宿51)は、代々木公園、NHK放送センターを通って渋谷区役所、渋谷駅に到着する。天気の良い日は、代々木公園の新緑の森の中を通り、実に気持ちがいい。そういえば、医療法人でクリニックの新設に東奔西走していた頃、放送センターの近くにも開設することになり渋谷区役所に申請に何度も通った。当時は、宮下公園近くにあった仮庁舎。新庁舎への移転が終わっていた。

 西新宿5丁目にある〝肉そば家 梟(ふくろう)〟。東京都庁の西、十二社池の下バス停のすぐ近くにある。電車を使うと都営大江戸線西新宿五丁目駅から徒歩7分。兎も角、我が家からはアクセスが悪い。この店を最初に見つけたのもクリニックの新設業務に携わっていた時。クリニックの開設には、色々な役所が絡む。中心になるのは、東京都庁の福祉保健局なのだが、関東信越厚生局東京事務所にも都の申請が通りそうになったら保健所とここに開設日や管理医師(院長)の届け出をしなければならない。この事務所が蕎麦屋の近くだった。

 

 この〝肉そば家 梟(ふくろう)〟。山形の郷土そば〝河北の冷たい肉そば〟(720円)を提供する。大好きな蕎麦だ。

  魅力は何といってもそばつゆの旨さ。だしの旨味がたっぷり。山形で〝だし〟と言ったら、鰹だしや昆布だしのことではない。夏野菜と香味野菜を細かくきざみ、醤油などで和えたもの。ご飯や豆腐の上にかけて食べる。梟にもサイドメニューでミニだし丼があるのでお腹に余裕があったら食べるといい。河北町では冬の雪の中でも外で立ったまま食べる。温かいそばもあるが、この肉そばは冷たいのに限る。そして肉の旨さと食感。肉には、伝統的に鶏肉を使う。親鶏なので硬い。このシコシコした硬さが堪らない。

そして蕎麦の旨さ。江戸蕎麦とかけ離れた野趣に富む田舎そば。洗練されてないが、啜るというより噛むそばなのだ。

 んまぇ肉そば食ってね

 

【お店へのアクセス】

京王バス(宿51) 渋谷駅⇒十二社池の下⇒新宿駅西口