朝の電車から見た武甲山は テラスから上が雲に隠れていた

 

今日は 札所の5~10番を巡る途中で 寺坂棚田へ寄る予定

日傘を差して リュックにペットボトル2本入れて やってきた

今日も暑くなりそうだ

 

ちょっと楽してバスを使いたいので バス停のある10番さんを最初にして

そこから徒歩で 5番さんから9番さんを順番にまわる

 

 

札所10番 大慈寺

 

バス通りから見る 山を背にした楼門形式の仁王門と本堂がいい感じで

バスで通りかかるときは 必ず車窓から眺める

 

古田新太さんのように懐が深そうな 延命地蔵尊が出迎えてくれるよ

 

 

あぶちゃんセットは たぶん 毎年お二人で奉納されているんだねえ

 

地蔵尊から参道を進む

 

 

階段下の庚申供養塔

 

 

階段を上って 仁王門

今日も 目を凝らして覗いたけど よく見えなかったよ 仁王様

 

門をくぐると 朝顔の残り花

 

 

大慈寺さんは 横瀬町のオープンガーデンにも参加されていて

境内は 楚々とした感じに 飾りつけてあった

 

納経が済んでも

武甲山は 山頂がまだ雲に隠れていたよ

 

 

そこから歩いて

札所5番 語歌堂

 

まずは やっぱり

この方々のお顔を見ないと♪

 

 

 

 

 

なごむわあ~

 

秩父札所唯一の准胝観音をお参り

納経したあと そのまま 拝殿で少しゆっくりした

それにしても日差しが強い

 

1本だけ凍らせてきたペットボトルの水を とけた分だけ飲んでは

もう1本のペットボトルのスポーツドリンクを その氷に注いで 飲む♪

 

 

 

 

 

お堂をあとにして

農地の道を歩いて行く

 

2年前 武甲山に向き合っていた農家の方 が居た!

 

 

今日も 武甲山と向き合って

1人黙々と畑仕事をしていた

 

山のどちらが表か 正面か・・ということは 本当は無いのだけれど

横瀬から見る武甲山は 真正面という感じがする

 

おお! 雲がとれて てっぺんが見えてきた♪

 

 

稲が 見るからにたわわに実っていて嬉しくなった

 

ヤンマーの刈り取り機を操縦して 刈り取りを始めた田んぼもある

何やら 見回りをしている田んぼもある

 

杖をつきながら 慎重に田んぼに入って行ったこちらの方は

明日 刈り取りなのだそうだ

 

 

去年 田んぼ脇の溝に落っこちて

「ここが欠けちゃったんだよ」と 足の付け根を叩いていた

 

 

農地から 山裾の道を上って行くと

寺坂の棚田だ

 

 

今は リコリスが咲いている

 

 

田んぼの真ん中の道で 棚田を抜けようっと♪

 

 

 

 

 

棚田には まだヒガンバナは咲いていなかったけれど

山道の木陰に入ると 少し咲き始めていた

 

 

 

 

 

 

ヤマナシの実もたわわ

 

センニンソウのいい香り

 

 

 

 

さて

まだ11時なんだけど 休憩をとることにする

 

建設会社の敷地に カフェがあって

ピザトーストとジュースを頼んだ

 

カフェをやっているのは 建設会社のおかみさんだった

冷房の効いた店内で 1時間

「今日は暑すぎて お客さん誰も来ないわ」って

ずっとお喋りしながら ランチを食べた

サラダも漬物もついて 全部美味しかった!!

トーストはひと口かじった瞬間から美味しかった

野菜の切り方も ドレッシングがよく絡むように工夫されていて

そのドレッシングも美味しい

 

秩父の風土のことや

ご家族のこと

お仕事のこと

 

今はとにかく暑くて 建設業は大変だ

水道管などの工事で 道路に穴を掘ると

その中は ものすごい暑いのだそうだ

地下は少しは涼しいのかと思いきや そうではないんだなあ

 

おかみさんは

「これから夏季は 朝5時から9時まで仕事をして 中休みをとって ふたたび3時から7時まで 計8時間労働をするというのはどうか?」

と提案してみたが

そう簡単にもいかないそうで・・・

 

私も 迅速に 臨機応変な対応というのは必要だと思うし

行政が 様々な領域との調整をしてくれるといいなと思う

 

 

武甲山は 私は今も外観が少しずつ削れて変わってきているのかと思いこんでいたら

そうではないそうだ

もう 山の内部だけで採掘しているので

外側は変わっていないという

(家に帰って 昔の写真と見比べたら 確かに変わっていなかった)

そんなことあるのか?? 本当のところどうなんだ??

 

 

これから向かう 札所6番の観音様は

別の場所にあった荻野堂に安置されていたのが

火災にあい 現在のお寺に遷された

だから 以前は5~6~7番とまわりやすかったのが 6番さんだけちょっとはずれてしまった

 

札所を巡る順番にこだわらなければ

すぐ下が7番さんなので 先に7番さんをお参りして 6番さんに行くといいよ

と おかみさんに教えていただいたけれど

横瀬町観光協会の オススメお散歩コースというのを歩きたかったので

このままお店の横を 6番さんへと向かうことにする

 

山裾の道を上って行くと

なるほど オススメなわけだ

この景色が待っていた

 

 

このあたりは刈米(かるごめ)耕地という

耕地と武甲山を見晴らせる

とっておきの散歩道

 

お寺から先 この道をずっと上って行けば 芦ヶ久保の日向山へ行くんだよ

 

札所6番 卜雲寺の入口には ガマズミの実がつやつやしていた

 

 

こちらへは 9年ぶりだ

 

納経をしたあと

一休みしようとすると

突然 雷がドロドローーンと鳴った!

ちょっとして もう1回

 

武甲山の上には雲が湧いているけれど・・・あれ雷雲??

後ろの山にも雲は湧いているけれど・・・??

 

どうする? どうする? 中断したほうがいい??

 

とにかく これはまずいと

いろいろ見たいものがあったのを そこそこに

東屋に置いた荷物を持って 次の7番さんへ急いだ

 

でも それから雷が鳴ることは無く 雨も降らなかった よかった☆

てか 逆にピーカン過ぎる

 

 

札所7番 法長寺

こちらも 9年ぶり

 

 

平賀源内の原図をもとに設計されたという 本堂

牛伏堂(うしぶしどう)と呼ばれている

秩父札所の中で一番の大きさ

 

 

境内にも石の聖観音さんが凛としていた

 

 

こちらのお寺は 日当たり抜群で 休むところが無いよお~

納経したら おトイレだけお借りして 顔を洗って 水分補給して

とっとと行こう

 

ここから8番さんまでは 1kmちょっと

横瀬川を渡るまでが刈米

その先は根古屋(ねごや)となる

 

刈米の南側は 果物の農園が並んでいた

今はぶどうだ

広い駐車場に大きな観光バスが停まっていた

そして 向かい側のいちごのハウスの中では

ご家族だろうか この暑さに 5~6人で苗の植えつけ作業をしていた

 

 

刈米耕地には

秩父事件 横瀬村小隊長 千島周作が居た

11月1日の椋神社で決められた役割表には 横瀬の小隊長というのは書かれていない

けれども実質的に 小隊長の役目を果たしたのだろう

35歳

もの静かだが 困っている人が居れば黙っていられないという人だったという

勉強家で読み書きができ

気楽流という 古武道の目録を許されていた

文武両道の人

 

武甲山を見つめ 武甲山に見つめられるこの土地でその人は育ったのだなあ

 

小鹿野から大宮郷 大野原 地元の横瀬と 諸所で活躍し

最後は 落合寅市隊で粥仁田峠まで戦った

捕らえられ 浦和監獄では模範囚だった

出獄ののち

この人は 妻子を残して家を出て 熊木にあった田代栄助の家の隠居部屋を借りて住んだのだ

御一家の苦労が窺える

70歳で事故で亡くなり お墓は刈米にあるそうだ

 

 

 

横瀬川を渡って 国道をくぐるところに シュウカイドウの群生があった

 

と このあたりで 異変が・・・!

暑くて 頭がボーっとして

息があがって 心臓バクバク

 

熱中症のことを 『あちぃにあたる』というそうですね?

私 あちぃにあたってます よね?

ここで一句

『もうちょっと 日影が欲しいよ 横瀬町』

 

さて どうするか!

 

あたりに人影は無し・・・ 駅まで遠い・・・ 札所までもうちょっと・・・

 

とりあえず 札所へ行くぞー

そこで様子をみよう

最後の丘をやっとこさ上って 札所8番 西善寺へ到着

よく頑張った 自分

 

美しいお庭も ゆっくり眺める余裕がなかった

コミネカエデの葉は 心なしかちりちりしていた

今年は 夏に元気に咲くはずのサルスベリの花も ちりちりしていたっけ

植物も あちぃにあたっている

 

トイレをお借りして 洗面所で頭から水かぶったり 濡れ手ぬぐいで顔や首を冷やした

 

保冷バッグに凍らせて持ってきた ペットボトルの氷はもうとけていて

15cmくらいの保冷剤もふにゃふにゃ温くなっていた

真夏だってこんなことなかったのに

恐るべし! 横瀬の日当たり!

残っていたスポーツドリンクを飲む

 

お参りしたけれど 納経までする気力が無く

ちょっと涼しいところを求めて 納経所に入らせてもらった

 

「すみません 暑くて少し具合が悪くなっちゃって 休ませてもらえますか?」

と ご住職に声をかけると

こころよく休ませてくれて

「タクシー呼びましょうか?」と言ってくれたので お言葉に甘えて呼んでもらうことにした

 

ただ・・・納経所にはエアコンが無かった(爆)

お坊さんてすごいな! 修行だな!

ご住職が扇風機をまわしてくれて 少し涼しくなった

 

タクシーを待つ間

お喋りをする

 

「さっき雷が鳴ったんですけどねえ 雨降らなかったですもんね」

と私が言うと

 

「それ 雷じゃなくて 武甲山の採掘場の発破の音ですよ

毎日12時半に 発破をするんです

爆破のあと 岩が崩れる音が聞こえるときもあります」

とおっしゃる

 

!!!

 

確かに 卜雲寺さんで12時半くらいだった・・・

 

発破のことは知っていたし

これまでも その時間 秩父や芦ヶ久保に居たこともあったのに

横瀬で聞く発破の音は でかかったー!

 

 

コミネカエデの枝ぶりは 変わらず立派だったけれど

この暑さで 枝先の葉が落ちるのだそうだ

葉は 光合成をして栄養を作る大切なものである一方

葉があることで 植物の体に負担がかかる

だから 樹木は 自分の身を守るために葉を落とすんだって

 

庭にはホースが出してあって

雨が降らないときは 朝晩と水を撒くそうだ

 

そんな話をしているうちに

だいぶ落ち着いてきて

タクシーがやってきた

 

コミネカエデが紅葉するのは11月の半ば以降

その頃 また8番さんから再開するとするか

 

それにしても この暑さ いつまで続くのだ!?