8月31日夜の回、村雲颯香卒業公演に一般枠が当たり観覧した。卒業公演企画実行委員会のご苦労によるパンフレット、うちわを手にいそいそと、しかしビンゴのくじ運は悪く立見スペースへ。この公演はひまわり組セカンドでオリジナルは2007年、AKBグループでは比較的再演の回数も少ない演目と思う。AKB48初期のシングル曲「ロマンス、イラネ」に始まり、「森へ行こう」のミュージカルの序曲を思わせる名曲から、もふちゃんに別れを告げねばならない今のファンの気持ちにぴったりな「青春の稲妻」など多彩な内容。いろいろあったNGTだが、このまま「夢を死なせるわけにはいかない」というのはメンバー、ファン共通の思いだろう。もふちゃんはユニットでは「記憶のジレンマ」に入った。彼女のパフォーマンスを観るのもこれが最後なのに立ち見後方で視界が狭いのは残念。「となりのバナナ」の中井さんは間奏で志村けんの変なおっさんダンスを思いきり踊り笑わせていた。さて、この公演で私が一番好きな衣装は「愛の毛布」のフリフリの豪華なドレス。そのうち保存しておこう、などと思っているうちにこの公演の全衣装をまとったインスタ写真もろとも卒業とともにすべて削除したのももふちゃんらしく潔い。

どの公演も私は本編最後の曲はいつも好きなのだが、今回の「愛の毛布」もよかった。題名通りぬくもりを感じつつ、フランス映画の幕切れを思わせるFinの文字とともにおしゃれに終了し、暗転。しばしあって、ファン有志女性の発声でアンコール発動。清司さん日下部さんとの懐かしいジンギスキャッツーの曲などの後、卒業セレモニーへ。トキ衣装に着替えファン有志贈呈のコックさんの帽子がついた冠をかぶってラストへなだれ込む。思えば私が強烈に彼女を認識したのは「秋の夜長のラジオ握手会」で、イタリアンを完食したのに驚いた。「てとフェス」のセンター曲ではうわさにたがわぬ美人と感心したなあ、などと思い出にふけるうち、最後のMCも佳境に。もふちゃんのあいさつはいかにも彼女らしいユーモアある(「歌もダンスも秀でていないが顔は水準以上」など)ものだったが、思いのたけをよどみなくすべて語って圧巻だった。アイドルを続けてよいものかどうか悩むほどの怖い出来事に接したメンバーに寄り添いつつ、NGT全体としての方向も真剣に考えていたもふちゃんは本当に立派だった。今後はNGTに入らなければいだけなかったという新たな夢に向かって頑張ってほしい。最後は研究生も登場し、舞台が狭く感じられるほどの大人数で、NMB48門脇佳奈子さんのNMB48周年公演後の弁を借りれば、「NGTもここまでになったんや」と感慨深い。お見送りでは月並みだが「頑張ってください」と声をかけることができた。

私はこのブログでも「颯」を一部「楓」と誤記していたという、かなりいいかげんなファンですが、公演でのもふちゃんの姿にささやかな幸せを感じていました。芸能活動を離れた後も幸せに過ごされることをお祈りします。劇場オープン前に彼女がボードに描いた寄せ書きの言葉が残っていたので公開します。きれいな字を書く娘がいるな、と印象に残ったのを覚えている。今になって見返すと彼女の真面目さが感じられ、新潟で活動してくれたことが奇跡に思えてならない。一週間たっても、もふロスはますます深まるばかりなり。