去年から、室内で行うクリスマス発表会は年長さん(5歳児)だけで行うことにしました。少し寂しい気はしますが、大切なのは卒園してしまう5歳児および保護者に対して優先的に考えること、感染症のリスクを低くして開催すること、と考えたため、規模を縮小して行っています。子中保育園のクリスマス発表会は活動発表会です。一般的には、保育園や幼稚園のお遊戯会、生活発表会、文化発表会、活動発表会といわれるものは、合唱や合奏、劇やダンスなどが行われることが多いと思います。子中保育園では、”発表会のための練習”を減らすため、日常的な活動やすでに行ったことがある活動をベースにプログラムをデザインします。

 

今年は少し早めですが、先週の土曜日に実施しました。今年の演目は;

 

(1)科学教室での体験に基づく子どもたちから参加者に出題する科学クイズ

(2)子どもたちが顕微鏡で発見したミクロの世界のプレゼンテーション

(3)ダンス(衣装は子どもたちがデザイン作成)

(4)さつまいもクッキングのプレゼンテーション

 

ブログを読んでくださっている方には、きっと何やら見たことがある単語が多いですね(笑)

 

(1)では、これまでに、スピンオフを含めて3回行っている科学教室のうち、2回(科学と出会う(2)「まざるかな?とけるかな?」)(科学教室「まざるかな?とけるかな?」スピンオフ実験)の実験で、子どもたち自身が気づいたこと、発見したことや、実験で確かめたことを、保護者にクイズとして出題しました。ハチミツ・水・油・エタノールを重ねた液体は冷凍庫に入れるとどこが凍るか、混ぜるとどうなるかなどのクイズです。保護者から「へぇ」「おー」といった反応があり、子どもたちも得意げでした。このプログラムのため、子どもたちはクリスマス発表会にも関わらず”博士”仕様(^^) 白衣、ネクタイ、保護用メガネとステレオタイプではありますが、子どもたちも一層堂々として見えました!このクイズ発表では、子どもたちが言葉を暗記しているわけではなく、内容を理解したうえで述べているので、毎回少しずつ語選択や語順が変わります。変えても詰まらずに言えることがむしろ素晴らしいなと思います。

(2)は保育園全体でブームの顕微鏡で(こなかっこ、顕微鏡を手に入れる)、子どもたちが見たものについて、なぜ顕微鏡で見ようと思ったのか、見てどう感じたのか、見た結果何か知ったこと、気づいたことはあったかを発表するというものでした。さすがに、それを一人でプレゼンテーションするのは難しいため、担任I先生と子どもたちで予めその情報を共有しておき、I先生からのインタビューに答える形式で対話的に発表しました。

顕微鏡でアリを見たいと思ったAちゃん。最初、アリの頭とお尻の見分けがつきませんでした。図鑑で頭には触覚があることを知り、頭を確かめます。また、足を動かす様子に注目すると進む方向に向かって足を動かす様子を確認することができました。触覚と足の動かし方によりバッチリ区別ができました。調べて、観察して、その結果から筋道を立てて考えて、頭とお尻を区別するプロセス、とても論理的です!

 

同じくアリを観察したBちゃん。アリのお尻に毛が生えていることを発見。面白いなと思って、少しずつ角度を変えてみたところ、実は体の横側から見たら、体中に毛が生えていることに気づきました!一つの観察から発見が広がりました(^^)

 

ジャガイモの葉っぱを見たCちゃん。顕微鏡を使うとまるで葉っぱから多数のトゲが出ているように見えたけれど、顕微鏡を外してみたら、それは細かい毛で、眼でもよく見えることに驚きました。また、肉眼だと毛がびっしり生えているように見えるのに、顕微鏡を使うと、棘がまばらに隙間がたっぷり空いて見える驚きを伝えていました。

 

顕微鏡で見ると「モグラのつめかと思った」とDちゃんが述べた花のつぼみ?虫のアゴ?(Dちゃんの予想です^^)は一体何か。落ちていた場所の近くに、似た形状のものは無いかと農道の隅っこをよく探しました。最終的に探し当てたのがホトケノザのつぼみ。テレビでしか見たことの無いモグラの爪の比喩がよく出てきたと感心です。

 

ちかこ先生に見ると面白いと勧められたグラニュー糖、上白糖、塩も顕微鏡で見るととても素敵です。「周りは雪みたいだけど、真ん中は雨みたい。キラキラしていて宝石のようにも見える(上白糖)」のように、豊かな表現が出てきました。

 

大きな声で話す、顔をあげて話すなどの練習はしますが、暗記ではないので言い換えはもちろんOKで、多少の言い間違いもまったく気になりません。ですから発表のための練習は子どもにとっても大人にとっても、それほど負荷にはなりません。運動会や発表会で強制的な詰め込み練習の話を聞くと、子どもたちだけでなく、それを”しないといけない”と思っている保育士や教諭も辛いだろうなと思います。

 

日常活動の延長の発表会は、子どもたちにも大人たちにもみんなにオススメ。頑張ろうとはするけど、苦しい思い、つらい思いはせずに事前のプロセスを楽しんで、当日はとても誇らしげ(^^) 残りのプログラムについては、また後日に!