ここからは事件ごとに考察する。

 

 

  ユリウス、ロシアに密入国

 

ユリウスはペテルスブルクに着いた直後、

街中で起きていた市街戦に巻き込まれて

被弾。

 

身なりが良かったからか、

兵隊によってレオニード・ユスーポフ邸に

運び込まれている。

 

これが1905年2月から4月の間に

起きたことになっている。

 

その際に、

・ドイツから反逆者アレクセイを追ってきた

・革命家たちの仲間かもしれないと怪しまれた

・ユリウスの旅券が男物だった(要は偽造)

 

などから不審人物と認定された。

 

結果、ユスーポフ邸に監禁されて

レオニード侯の監視下に置かれることに。

 

つまり、レオニード侯は

ユリウスに対して生殺与奪権を握った

ことになる。

 

超疑問

レオニード侯は初対面で

ユリウスの身元調査をする

と言っていたのに、

実はしていなかったのでは?

 

 

身元がわかったのは、約半年後、

ラスプーチンに拉致されてから。

 

調べていなかったのか

調べるつもりがなかったのか

調べたくなかったのか

 

謎のまま(-""-;) 

 

  ユスーポフ邸逃亡事件

 

アナスタシア・クリコフスキー。

姉のアントニーナと共にアレクセイの幼馴染。

 

アレクセイと姉は天敵だったが

アナスタシアにとっては初恋の人。

 

生涯をかけて愛し通し、

ボリシェビキを裏でサポートしていたために

シベリア送りになってしまった

天使のような人( ̄_ ̄)

 

この二人の年齢がわかるような場面は

特になかったけれど、

ユリウスやヴェーラと近い歳と思われる。

 

彼女たちは皇帝に近い公爵家の家柄。

貴族の家柄としては最高位。

この下に侯爵家が続く。

 

逃亡したのはユリウスだが、

アナスタシアはこの逃亡事件から

脇役ながら重要な役になっていく。

 

ヴェーラの友人であったアナスタシア。

 

ユリウスがアレクセイを探しにドイツから

やってきたことを知って会いに来た。

 

年表からは、5月から9月の間になっている。

 

その流れで、彼女はユリウスのユスーポフ邸

逃亡の企てに巻き込まれ

人質として奪取される。

 

ユスーポフ侯に御者付き馬車を用意させ、

アナスタシアを連れて逃亡を図るユリウス。

 

 

 

けれど、馬車の中でアナスタシアは

このままおとなしくユスーポフ邸に戻るよう

説得する。

 

いつかアレクセイが逮捕された時、

彼を逃してやるための協力をしてくれと。

 

馬車の御者も、座席の下に隠れていた男も

ユスーポフ侯の部下だったため、

この逃亡は失敗に終わる。

 

ユスーポフ侯は、

腹心の部下であったロストフスキー中尉から

ユリウスを連れ戻すことにかなり手こずったと、聞かされたであろう。

 

この日以来ユリウスはおとなしくなり、

ユスーポフ侯の言うことには忠実になったと

後にヴェーラはアナスタシアに話している。

 

納得できない、と言いつつ(-""-)

 

そりゃそうだ。

それまではずっと反抗的な態度だったのだから  ┐( -"-)┌

 

そしてその後、アナスタシアは

彼女のバイオリンの先生と結婚。

 

もちろん愛の無い結婚。

目的はアレクセイへの想いを周囲に隠すためと

いつか彼を助けるため。

 

アナスタシアの予見可能性の能力はすごい。

見習いたいものだ  ( ̄  ̄;)

 

 

結婚式当日。

年表から見ると1905年の9月か10月の始め頃か。

 

アレクセイのお兄さんを当局に密告して

銃殺刑にさせたのは、

この先生だったと告白される。

 

ああ、そんな可哀想な花嫁、

どこの世界にいる(ノ◇≦。) 

(ここにいる←影の声)

 

次にアナスタシアに起きる事は

1909年、夫が馬車の中で殺害された後すぐに

バイオリニストとしてデビューすること。

 

1913年、スパイ活動家としてオーストリアで逮捕され、ロシアに送還された後シベリア流刑。

 

流刑になったのは25歳からアラサーくらいの間かな。

 

シベリア流刑になっても、

後悔した様子は全く見せなかった。

 

おとなしい人ではあったが、

芯の強い、一途な人だった。

 

この人の人生を振り返った時、

思い出したのはマリー・アントワネットだった。

 

性格にだいぶ違いがあるが、アントワネットも

一途にフェルゼンを想い続け、

王妃として終始毅然とした態度で

ギロチン台に上がった。

 

本当はルイ16世の妃になるのは

マリーではなかったのに、

運命のイタズラなのか宿命なのか

最後はこうなっちゃって、という人生。

 

現代以上に、

自分の人生を自分で決められなかった時代

だからなぁ。

 

考えさせられるものがある  (──__──)

 

一度アレクセイたちが

シベリアに向かう彼女の奪還を計画したが

想定外のことが起きて失敗。

 

これ以後、彼女はもう物語には出てこない。

 

 

年表によると、1905年の11月と12月は

色々なことが起きているので次回に続く。