地政学で読みとく「これからの世界」

地政学とは地理的条件を基軸として世界各地の軍事や外交などを

読みとく学問。

 

ニュースで見聞きする世界情勢をより理解したくて手に取ってみた。

 

世界で起きている紛争や各国の関係性を経済、宗教、歴史的側面以外に

地理的な側面からも考察していて興味深い。

 

印象に残った点。

 

①アメリカが何故ここまで経済大国に成長、世界でトップの座に君臨しているのか。

 ⇒2度の世界大戦において、どちらも本国が舞台となっていなく傷が浅かった。

  対戦の舞台となってしまった、それまでの経済大国イギリスが弱っている隙を

  ついてトップに躍り出る

 

②アメリカの「バランス・オブ・パワー」という考え

 ⇒「勢力均衡」多くの国が連携や敵対したりして勢力を均衡させることにより平和を維持する

  覇権国はナンバー3の国と連携し、トップを狙うナンバー2の勢力を弱めようとする

 例;冷戦時代のアメリカ、ソ連(第2位)、日本(第3位)

 

③ギリシアの巧みな外交

 ⇒2009年にギリシア危機(財政悪化により国債が大暴落。ギリシア政府の債務不履行の懸念が広まる)

  が起こったが、EUが金融支援、再建支援を行う。

  ギリシアは自国が対ロシア戦略に置いて、地学的に必要不可欠な存在であることを有利に使い、

  EUから切り捨てられずに済んだ

 

④北極争奪戦

 地球温暖化により北極の氷が溶けてきている。このことにより新たな航路が出現し、

 航海距離を短縮できる可能性が出てきた。また氷の下には天然資源が埋蔵されている可能性も。

 こうした中、ロシアは積極的に開発の動きを見せている

 

⑤イランの地域覇権主義

 中東はアラブ人の国が多数を占めているが、イランはペルシア人の国家。歴史を振り帰るとペルシア人が大帝国を

 築き上げ覇権を握っていた時代もあり、それが現在のイラン人のプライドに起因しているという説もある

 「イスラム革命を輸出」し中東の実権を握ろうとしている。

 

⑥沖縄米軍基地

 中国牽制には絶好な立地。有事に備えて中距離ミサイルを配備する可能性もある