坂本龍一さんの「aqua」は、1998年にリリースされたアルバム「BTTB」(Back To The Basicの略, オリコン18位)に収録されています。

作曲:坂本龍一

「BTTB」は坂本龍一さん自身の原点であるピアノ音楽を中心にした全14曲のアルバムで、坂本龍一さんは「aqua」について次のようにコメントしています。

「娘の坂本美雨のアルバムに入れるつもりで作った曲です。なので、こっちはカバー。カバーの方がオリジナルより先に出てしまうという珍しい状況になってしまいましたが…。美雨の声というのは、ビブラートがなくて、ちょっとニューエイジ系というか、ヒーリング的な要素が強い声なので、意識的にそれっぽい曲を作りました。これは、シンセであれこれ弾いて作ったんですが、僕には珍しく、非常に素直な、シンプルなコード使いになっています。自分のためにはまず作らないだろうな、いうタイプの曲ですね。」

次の動画は、TBSの報道番組「筑紫哲也のNews23」で演奏されたもので、筑紫哲也さんも映っています。自分もこの演奏をオンエアで見たような記憶があります。
坂本龍一さんは、文芸誌「新潮」の7月号から始まる連載「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」において、最近の活動や闘病生活を振り返り、
「せっかく生きながらえたのだから、敬愛するバッハやドビュッシーのように最後の瞬間まで音楽を作れたらと願っています」などとコメントしているそうです。
代表曲にまでなった「戦場のメリークリスマス」のメロディーはわずか30秒程度で思いついたそうで、1分でも命が延びれば新たな曲が生まれるという考えを持って、絶望的な状況にありながら体調が優れないときも、たとえ短い時間でもピアノに向かって、創作活動に打ち込んでいるそうです。
これからも良い音楽を素晴らしい音楽を世のなかに送り出して欲しいものです。

坂本龍一 (1952/1/17生まれ)
1978年~1984年にYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)を細野晴臣、高橋幸宏と結成。
1983年の映画「戦場のメリークリスマス」で英国アカデミー賞の作曲賞を受賞。
1987年の映画「ラストエンペラー」でアカデミー賞「作曲賞」を受賞し、1989年のグラミー賞では「最優秀オリジナル映画音楽アルバム賞」を受賞。
1993年にYMO再結成。
1999年、ピアノソロ曲「エナジー・フロー」を収録したマキシシングル「ウラBTTB」がインストゥルメンタルとして初のオリコンチャート1位を記録。