一括受取りが有利?
 
こんにちはウインク
松江の行政書士&ファイナンシャルプランナーの小室寿明ですグラサン
 
先日、とある方から企業年金の受取について質問をいただきました。
「企業年金を受け取る際、一括受取と年金受取では、どちらが有利か(たくさんもらえるか)?」というもの。
 
確定拠出年金も同じですが、答えは「一般的には一括受取が有利の場合が多い」となりますニヒヒ

具体的に、30年間会社に勤めた人が、退職一時金1,000万円と65歳からの公的年金150万円に加え、企業年金1,000万円を受け取るケースで、❶60歳時に一括受取、❷60歳から10年間100万円ずつ年金受取の2つの場合について、70歳までの手取額で比較してみましょう(※復興特別所得税を除く計算)。
 
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❶の一括受取りの場合、退職所得とみなされ、次の計算式で受取額を算出します。
 
■退職所得
・退職一時金収入➡︎1,000万円+1,000万円=2,000万円
・退職所得控除➡︎{800万円+(30年-20年)×70万円}=1,500万円
・退職所得➡︎(2,000万円-1,500万円)×1/2=250万円
・課税額➡︎所得税:250万円×10%-9.75万円=15.25万円
➡︎住民税:250万円×10%=25万円
・手取額➡︎2,000万円-(15.25万円+25万円)=1,959.75万円
 
■雑所得(65歳~)
・年金収入➡︎150万円
・雑所得➡︎150万円-120万円=30万円
・課税額➡︎30万円×(所得税5%+住民税10%)=4.5万円
・手取額➡︎(150万円-4.5万円)×5年=727.5万円
 
■10年間の手取額
1,959,75万円+727.50万円=2,687.25万円

 

❷の年金受取りの場合、公的年金と合算して公的年金控除が受けられます。

 

■退職所得
・退職所得控除➡︎{800万円+(30年-20年)×70万円}=1,500万円
・退職所得➡︎(1,000万円-1,500万円)×1/2=▲250万円
・手取額➡︎1,000万円(非課税)

 

■雑所得(60歳~)

・年金収入➡︎100万円
・雑所得➡︎100万円-70万円=30万円
・課税額➡︎30万円×(所得税5%+住民税10%)=4.5万円
 
■雑所得(65歳~)
・年金収入➡︎150万円+100万円=250万円
・雑所得➡︎250万円-120万円=130万円
・課税額➡︎130万円×(所得税5%+住民税10%)=19.5万円
 
■10年間の手取額
1,000万円+(100万円-4.5万円)×5年+(250万円-19.5万円)×5年=2,630万円
 
よって、一括受取が有利となります。
加えて、一括受取の場合は、申告分離課税のため、その年の総所得に加算されることがない一方、年金受取の場合は、その年の所得に算入されることで、翌年の健康保険や介護保険の保険料がグッと割高になることが想定されます。
 
正確に損得を判断するには、受け取る退職金や公的年金の額など個別のケースについて精査が必要となり、正直めんどくさ〜いです滝汗
ご不明な方は、FPに相談されるのが賢明だと思われます。
 
 

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