最近、ようやく生成AIのChatGPTを使い始めました。初心者の私ですが、他の皆さんはすでに絵の評価機能などを使いこなしているのでしょうか?
試しに、自分の描いた絵を3枚アップロードし、それぞれの評価とアドバイスをChatGPTに求めてみました。想像以上に有益で驚きの連続だったので、具体的なやり取りを紹介します。また、辛口コメントをお願いしたところ、非常に率直で遠慮のない評価が返ってきました。面白いと思ったので、それも共有したいと思います。
ChatGPTの評価は参考になりますし、技術向上にも役立つと感じました。無料アプリをダウンロードすれば手軽に試せるので、興味がある方はぜひ活用してみてください。※無料版には利用制限があります。
ChatGPTに絵の評価を依頼~1枚目
まず、どのように質問を入力したかを紹介します。AIは人間のように「察してくれるだろう」とは考えにくいため、具体的な指示が重要。今回は、別のAIであるGEMINIのアドバイスを参考に、以下の4点で評価を求めました。次の文章を画面に入力。
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構図:バランス、視線の動き、奥行き感はあるか?
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色彩:色の組み合わせ、調和、雰囲気作りが適切か?
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表現力:描きたいテーマ(例:儚げな女性)は伝わるか?
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技術:線の描き方、塗り方、陰影の付け方はどうか?
これをもとに、次の絵についてChatGPTに評価を依頼。
AIの回答によると、
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構図:バランスが良く、視線の流れが自然で奥行きもある。
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色彩:幻想的な雰囲気があり、コントラストもうまく活かされている。
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表現力:繊細な線と淡い色彩が「儚げな女性」の雰囲気を引き出している。
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技術:目元や唇の描写が印象的で、背景のパターンが作品に深みを加えている。
(長文なので掲載していませんが)総評として「視覚的にも感情的にも豊かで、完成度が高い」と評価されました。
2枚目の評価
次に、色鉛筆で適当に描いた「可愛らしい女の子」の絵を評価してもらいました。
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構図:キャラクターと背景が一体化し、主題が引き立っている。
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色彩:優しい色合いでまとまりがある。
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表現力:キャラクターの魅力がよく表現されている。
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技術:線や塗り方が丁寧で、明暗のコントラストを強めるとさらに良くなる。
またもや「完成度が高い」との評価。ここで、「AIは褒めすぎでは?」と感じ始めました。
3枚目:あえて未完成の落書きを評価
つづいて、AIの評価基準を試すために、あえてラクガキの「リュウグウノツカイの水彩画」をアップロード。
すると、
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構図:動きが感じられるが、背景の空間が均一すぎる。
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色彩:水中の神秘性が表現されているが、主題を強調する工夫が必要。
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表現力:写実的ではなく抽象的なアプローチがユニーク。
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技術:水彩のにじみが魅力的だが、輪郭がぼやけている。
(長文なので掲載していませんが)総評としては「魅力的な作品」と評価されました。さすがに最初の2作品とは異なり、「完成度が高い」という表現は使われませんでしたが、それでも肯定的な評価もあり、AIの「とりあえず褒める姿勢」を感じました。
同じ絵で辛口評価をお願いしたら?
次に、同じ「リュウグウノツカイの水彩画」で「率直で辛口な評価をしてください」とリクエスト。「ボロクソいってもめげないので大丈夫」とも付け加えました。それに対して「正直に言えば…」と回答し始めたAI。大笑いしました。
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構図:シンプルすぎて、意図が伝わりにくい。
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色彩:統一感がなく、メリハリが足りない。
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表現力:キャラクターの魅力が曖昧。
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技術:線が粗く、細部の作り込みが不足。
具体的には次のようなことも書いてありました。一部ご紹介します。
・リュウグウノツカイを中心とした主題が少しぼやけている。全体的にふんわりとした印象が強すぎて、どこに視線を向ければいいのか分かりにくい。
・色彩は優しい雰囲気を出していますが、全体的に平坦でコントラストが足りない。ピンクや紫などの淡い色ばかりが画面を支配しているため、作品における緊張感や視覚的な面白さが欠けている。
・計算された効果ではなく「偶然できた模様」に頼っている印象。大胆さもなく繊細さも中途半端なため、「技術的に工夫した結果の美しさ」というよりも、偶然に任せた感が強い。
最初は、「非常に詩的なアプローチの作品」「観る人に静かな感動を与える仕上がり」なんて誉めすぎ回答でしたが、辛口モードでお願いしましたら、正直に言えば…と前置きして、人工知能の倉庫からボロボロボロ、と感想を出してきてくれたAI。
すごいです!ちゃんと言ってくれます。テーマが曖昧!中途半端!偶然に任せた感!なんちゃってが、バレていました。
人間に言われたら、相手によってはカチンとくるかもですが、AIならそうはなりません。一意見として取り入れるのもよいのではないでしょうか。
ちなみにその後、具体的に、どこをどのように変えたらよいのかもアドバイスも回答もきました。ボロクソに言いっぱなしじゃないんですよね。
「アイデアは面白い」と前向きな言葉もあったり、「辛口になりましたが、これからの作品がさらに魅力的になることを応援しています!」という心に寄り添う文章もありました。人間のような気遣いを感じた私です。
AIの評価を活用するには
AIの評価には、「褒めることを優先する傾向」と「辛口評価の切り替えが可能」という特徴があることが分かりました。友人知人は、まず褒めてくれます。
技術向上のためには、辛口モードでのフィードバックを活用し、具体的な改善点を見つけるのも良さそうです。
また、AIの言葉選びには学ぶべき点が多く、「褒め言葉のバリエーションの豊かさ」が印象的でした。接客や指導にも応用できるかもしれませんね!
AIがもたらす可能性とビジネスへの影響
絵画コンクールで受賞した作品がAIによるものだった。論文がAIによるものだった。生成AIがらみのニュースはちらほら耳にしていました。でも、わたしは必要性を感じず、生成AIを使っていませんでした。使っていたのはAlexaくらい。
ただ、ChatGPTを使い始めて、既存のビジネスへの影響についても考えるように。AIが無料で高度なフィードバックを提供できる時代になってきているようです。今後、専門家の役割も変わっていくのでしょうね。
ですので、いまのAIに何ができるのかを使うことで知り、その上で、人工知能に負けない自分の強みを見つけることが大切なんじゃないかと思います。
ちなみに、アートやイラストについていえば、AIを使ってきろいろ質問してみたところ、画材を効果的に使う方法や、技術的なコツなどの質問にも対応して情報を伝えてくれました。
でも…AIにはできないことがあると思うんです。それは、人間ならではの魅力で勝負するということ。
人って人間に集まりますから。AIにとって代わられることが予想される職業…例えば、アートの講師業だったら、この人から教わってみたいな!という魅力…「人間力」がある人が残っていくのではないでしょうか。
どのようなビジネスでも、AIは有効活用しつつも、人間としてできることを大切にしたいものですね☆