私の場合ですが、ブログやFacebookなどにアップしたりどこかに提出するなどして人様に作品を見せる用に、見栄えよくしようとお洒落したよそいきの「おめかしタングル」と、感じるままに素で描いた「すっぴんタングル」というものがあります。

 

どのようなものなのか、ご紹介してみますね。

 

おめかしタングルバージョンの作品はこちら。

ふるはし美鳥CZTの講座で描いた(waybop)ウェイポップと呼ばれるタングル(パターン)。はじめてのタングルというのもあったのですが「この色を使ったらこのタングルの魅力を引き出せるのではないだろうか」「ここにこのアクセントをつけたらバランスがとれるんじゃないだろうか」といったように、思考を優位にさせて作品の見栄えを考えます。
 
まるで、お出かけ前に自分の魅力を引き出すために、洋服を選んだりメイクをしている。新しいファッションも試してみたり。そんな感じです。

 

自分でも「うん!いい感じ」って思える仕上がりになると、努力のあとの楽しさがあります。ちなみにこの作品、中央の赤い花のような周りの部分はタングルを描いたあとに黒く塗りつぶしています。最初に描いたものが見栄えよくないと思ったんですよね。

 

それって…お出かけしようとして鏡の中の自分を眺めたら、生え際に白髪が目立って「なんだか疲れて見えるなぁ…よし!クイック白髪染めでごまかすぞ!」と髪の根元を黒く染めて見た目を修正した。そんな感じです。

 

そのような感じで思考と美意識を総動員、人様に見られることも意識することでできるだけ見栄えよく描きあげる。出来上がりに対して「自分なりに仕上げたよ!」と自信や肯定感が生まれる。そのように前向きな気持ちになれるのが、おめかしタングル。

 

対して、すっぴんタングルは…

 

タングルはそのとき自分が描きたいものであり、描いていて気持ちの良いもの。感覚が優位になり、あまり思考が働きません。わたしの場合ですが、そのときそのときの「心が求めるタングル」がありまして、常連のタングルさんたちがおります。最近はとくにマラス(marasu)のタングルが描きたくて描きたくて。渦巻き状のグルグルしたやつです。

このタングルをみると、昨年訪れた、日本一のアンモナイト博物館として知られている、北海道の三笠市立博物館のアンモナイトたちを思い出すのですが
博物館には大きいもので直径130センチもあるアンモナイトがどかん!どかん!と配置されいて。その沈黙の迫力、展示数には圧倒されましたが、館内で静寂な時間を過ごすことができました。マラスを描いているとこのアンモナイトのイメージがよみがえるんですよ。
1億年前の地球の海の中にこの巨大なアンモナイトが悠然と泳いでいた…そんな太古の海の世界を思い浮かべるのです。そうすると、心の中も落ち着いてくるんですよね。

 

さらに、マラスを描いているときにタイル(紙)の限られたスペースを、凛とした黒インクで埋めていくときの感覚。マラスの巻きに沿って白のチャコペンでなぞっていくと、その表面に光る「照り」が生じていく様子。

  

これらを感じておりますと、すーっと落ち着いてきます。思考が静まり、感覚が優位になってくる。そのように自分の世界に入り込めるのが、すっぴんタングル。

 

本来はプロセスを大切にしますので、見栄えをよくしよう…とは考える必要はないのですが、はじめたばかりのころは、技術的にも難しいと感じることも少なくありません。

 

あれやこれや考えて「おめかしタングル」をしていると作品の質を向上させてくれるので、それはまた嬉しいことですし「すっぴんタングル」の時間は心を整えてくれます。わたしにとっては、どちらも大切な時間です。

 

いろいろな関わり方がありますよね!素敵なタングル時間を☆