自分が死んだらどうなるだろう。
きっと、世界にほとんど影響を与えない。
私は人類史に名が残るような天才ではない。私の代わりはいくらでもいる。
そんな凡夫でも、できるだけ文明の発展に寄与できるようにと、凡夫なりに研鑽を積んできた。
何かを手に入れるために行ったことは、何かを棄てる選択だった。それが最も効率の良い方法だった。
自分を殺ぎ落とし、殺ぎ落とし、殺ぎ落とし切れない自分があることを知った。
どこまで殺いでいっても、凡夫は凡夫のままだった。
そこに、痩せ細った自分が立っている。
生きているか、死んでいるか、怪しい。
焼け野原に突き刺さっている木の棒。
それは墓標に似ていた。
もう、殺ぎ落とせるものは、___くらいか。