下総老人の戯言

下総老人の戯言

下総の地に住む一介の素老人です。日常生活の中で日々感じたことを書き綴りました。人生楽しく、日々、是好日にしたいものです。

甲子園という憧れの舞台にたどり着くためには、いくつもの関門を突破しなければならない。昨日の八千代松陰戦は、その関門の一つだった。

 

球場で応援しなければと思い、朝7時過ぎには家を出た。ZOZOマリン球場に着いたのは試合開始20分位前だった。

 

好みの席を探し落ち着いたところで球場全体を見渡して驚いてしまった。3塁側の八千代松陰応援団の人数に驚いたのだ。その応援団の陣地はレフトスタンドの一部にまで及んでいたのだ。多分、系列の中学校を含んだ全校応援ではないだろうか。一方、我が愛する専大松戸の応援席は野球部関係者と吹奏楽、チアガールの生徒たちだけだった。

 

この応援格差は、この一戦にかける八千代松陰の意気込みが並大抵でないことを如実に物語っている。その八千代松陰応援団が発する声は球場全体に地鳴りのように響いた。

 

このような球場雰囲気の中で注目の一戦は始まった。

 

専松は幸先よく1回の裏に2点を先制した。しかし、八千代松陰はやはり強かった。続く2回の表に2点を挙げ、すぐさま同点に追いついてしまった。専松は2回の裏に2点を加点し、5回が終了した時点で4対2とリードしていた。続く6回、7回に1点、2点を追加し、7回が終了した時点で7対2とリードを広げた。これは案外楽勝かと思っていたが、ドラマは8回表に待っていた。

 

専松のエース・梅澤は2回に2点を取られたものの、その後は無得点に抑えていた。8回に入り疲れが出てきたのか、足のつりを治すような動きを再三していた。これが影響したのか制球が定まらなくなり押し出しの四球を与えてしまった。なおもツーアウト満塁という場面で持丸監督は堪らずサウスポーの八津にスイッチした。

 

ところが、八津も押し出しの四球を与え、尚も満塁のピンチ。八津は後続の打者に満塁一掃の3塁打、さらに勝ち越しの適時打を許してしまった。この回大量の6失点。8回表を終わって7対8と逆転されてしまった。私の脳裏には「敗北」の2文字が浮かんできた。

 

8回の裏、専松の攻撃。この回にさらに大きなドラマが待っていた。代打・牧野、そして2番・高橋の執念の一打でワンアウト1,3塁の場面を作り上げた。続くバッターは3番・中山。中山はプロも注目するバッターだ。今大会、ここまで中山には本来の打力が見られなかった。しかし、この土俵際の切羽詰まった場面で中山は最高の結果を出したのだ。八千代松陰応援団が陣取るレフトスタンドに突き刺さる逆転3ランHR、打ったと同時にそれと分かる鋭い当たりだった。

 

1塁側の専松応援スタンドは全員が立ち上がり両拳を突き上げた。この感動があるから高校野球はおもしろい。

 

9回表の攻撃をなんとか抑え、10対8で専松の辛勝。専松野球史上に残る激闘だった。

これで一つの関門を突破。次の4回戦は楽に勝てそうだ。