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Itou Chie

ヴェルトガイスト・フクシマWEB版に2014年10月から2019年1月まで掲載されたアーカイブです。
時系列順ではありません。

2017年7月19日

 

2016年4月14日に発生した熊本地震から1年あまりたった。
震災直後のゴールデンウィークに、熊本へボランティアがてら実家や家族の様子を見るため帰郷したが、そのときのレポートは、冊子「ヴェルトガイスト・フクシマ2016年夏号(通巻6号)」に掲載した。
今回は、奇しくも東日本大震災の起きた2011年の6月に他界した父の7回忌のために帰郷。阿蘇に一泊し、法事のあと、熊本市内の昨年歩いたところを見てまわった。

 

被害の大きかった南阿蘇村の宿泊施設は再開していないところが多く、今回は阿蘇の内輪山をはさんで北側にある乙姫地区の温泉民宿に宿泊することにした。

 

鉄道はJR豊肥線、南阿蘇鉄道ともに一部不通。
道路は阿蘇大橋の崩落部分を迂回するルートのため、かなり渋滞しているように感じる。工事車両が多いせいもあるのだろう。

 

熊本空港から阿蘇を経由して大分へ向かう長距離バスは、平日ながら、補助席を使うほど混み、阿蘇で降りる観光客も何組かいた。

 

阿蘇駅から見た阿蘇五岳、往生岳か

 

JR豊肥線は肥後大津駅から阿蘇駅まで不通だが、阿蘇駅より大分側は運転再開したため、駅前は列車を待つ人や道の駅で買い物をする人たちが三々五々。

 

阿蘇駅から乙姫の宿まで歩く。
目の前に広がる田園風景に、地元の生活はもとに戻ったように見える。しかし、よく見ると斜めにかしいだ電柱や

 

阿蘇市黒川地区

 

豊肥線のレールが曲がっていたり

 

JR豊肥線内牧~阿蘇駅間

 

レールが浮いてしまっていたり

 

JR豊肥線内牧~阿蘇駅間[/caption]

 

これは川に土砂が堆積して、まるで道のようになっており、本来の河道はずっと下にある。少し下流側に土砂を取り除く工事看板があった。

 

乙姫地区を流れる小さな川

 

いまだ復旧に時間がかかることは見てとれる。

 

乙姫の温泉民宿は非常に快適な施設で、平日にもかかわらず数組の客が家族風呂を楽しんでいた。宿のご主人は、JR不通のため私たちのようにバスで来るお客さんも多いですよと。

 

民宿の看板犬、チャック君

 

山や塚が近く遠くに存在する阿蘇はとても気持ちのいいところだ。活火山ではあるし、たびたびの洪水や昨年の地震など自然災害が多くはあるが、今回、6~7キロ歩いてみてあらためて良さを実感した。
正直なところ、小中学校を通じて毎年のように阿蘇には連れて行かれていたが、特別な感懐を持っていなかった。近くにいて何もわかろうとしなかった盆暗である。

 

熊本市編に続く