昨日掲載された文春の記事

 

2020年には次期エースになるはずだった三浦春馬が自殺。理由はいまも明らかになっていませんが、看板スターの死を防げなかった管理責任はあまりにも大きいです。

 

などどA社の責任を追及するような記載がありましたが、A社お抱え週刊誌みたいな文春がこのような記事を載せることに何か裏があるのではないかと思っていました。

 

ぽんたさんが推測してくれ、疑問点も書きだして下さいましたので、シェアさせて頂きました。

ありがとうございます。

 

 

文春の記事を読んでみました。

まず前提として、これはA社が全面的に協力し(おそらく提案し)、了承した記事だろうと思いました。A社の長期にわたる内部事情について書き、さらに春馬さんも含めてA社所属の多くのタレントの「良い写真」が載っているからです。
A社のちょっとしたネガ情報がスパイスのように含まれているものの、「O会長は凄腕」「A社は業界の中心」「素晴らしいタレントが多く所属している」ということが延々と書かれていて、A社の立派な広告にもなっています。
つまり、この記事の内容が「A社が今、世間に向けてアピールしたいこと」なのだろうと思いました。


記事の内容のうち、「現在」に関する部分をざっくりとまとめると、以下のような感じだと思います。(今まで自分の投稿記事ではイニシャルもあまり使わないようにしていたのですが、今回は登場人物が多いのでイニシャルを使います。【 】内は私なりの“言い換え”・追記です。)

1)近年、A社内部では音楽部門と俳優部門の権力争いが顕在化。俳優部門は「事件」が続き、立て直しが必要だった。

2)2年前に就任したN社長は音楽部門出身。俳優部門の立て直しのために“長らく俳優部門を仕切ってきた”I副社長を就任させた。【2020年7月18日時点での俳優部門の責任を負っていたのは、C常務ではなくI副社長。C常務の退社は引責ではなく、株主総会対策でもない。】

3)C常務は社内の権力闘争でN社長に敗れ、新会社の社長の椅子が用意された。【A社がC常務を新会社の社長に据えた。】

4)事務所をあげての「俳優Yさん推し」が俳優部門の空気が悪い最大の原因。Yさんの大河主役を春馬さんは祝福したが、SさんとKさんは不満だった。【春馬さんはYさんの大河主役に不満なし。】

5)Sさん・KさんがA社に見切りをつけた。【“独立”はSさんとKさんからの希望。】

6)A社としては、不満分子になりかねないスタッフ、俳優をまとめられて一安心。【新会社にC常務、Sさん、Kさん、マネージャーをまとめたのはA社。】

7)SさんとKさんの独立は俳優部門の次期エース候補が本家を割って出たことになり、株主としては(=企業価値としては)明らかにマイナス。【経済的にA社にとってマイナスでも、A社は2人の”独立”を応援したという、間接的なアピール。】

8)春馬さんは自○。理由はいまも明らかになっていない(ドラマ関係者談)。防げなかったA社の「管理責任」は大きい。【具体的な“管理責任”の中身の言及はなし。今まで同誌が散々書いてきた家族問題にも言及なし。】


新会社について現時点までに報道されている内容は以下の通りです。

①会長:O会長がA社会長と兼務。(他社の記事には“相談役”と書かれていましたが、この記事の方が正しいのでしょう。会長は通常は“取締役会会長”なので取締役です。)
②社長:C常務。
③俳優としてSさん・Kさんが所属。
④A社のマネージャーも移籍。
⑤A社が20%未満の株式を所有。(他の株主構成は不明。)

今回の記事は、新会社の①から⑤がすべてA社の意図によるものであることを示唆していると思います。(上記3)や6)の記述)
しかし、そうすると、やはり全体として不思議な点が散見されます。

長くなるので、私が個人的に感じた疑問点は次の投稿に書きます。

ぽんた

2021-03-28 12:55:44

 

 

記事を読んで私が感じた疑問点を、思いつくままに書いてみます。

(1)取締役の選任権は株主にあります。先日の報道通り、A社が新会社の少数株主だとすると、なぜ「取締役社長」「取締役会長」の2名をA社が決めることができるのでしょうか。A社は形式的には新会社の20%以下しか保有していないものの、実質的には過半数の株式をコントロールしている、つまり新会社は実質的にはA社の子会社ということでしょうか。

(2)新会社が実質的にA社の子会社だとすれば、確かに、社長以外の役員が子会社の社長になることは珍しくないと思います。ただ、その場合、親会社の役員と兼務する場合も多いと思います。
記事によれば、C常務は「権力闘争に敗れた」以外に落ち度はなさそうです。それならば、なぜ、任期途中の中途半端な時期に、一部上場企業である「A社常務」という社会的に高い地位を辞任して、新会社の社長に就任するのでしょうか。兼務では問題があるのでしょうか。

(3)新会社がA社の実質的な子会社だとすると、なぜ分かりやすく子会社にしないのでしょうか。連結子会社にすれば、Sさん・Kさんから上がる収益も連結できて、株主からの非難も減ると思われるのに、不思議です。

(4)C常務に新会社社長の椅子を用意するなら、なぜ、さらにO会長を取締役会長に据えるのでしょうか。O会長という重鎮が取締役会にいる以上、C常務は、社長といってもO会長の意向を無視することなど到底できないでしょう。C常務は抵抗しなかったのでしょうか。

(5)記事のストーリーだと、C常務のA社取締役辞任・新会社社長就任と、Sさん・Kさんの独立は、まったく別の動機から出てきたように読めます。それならば、なぜSさん・Kさんが、A社の実質的子会社である新会社に所属することになったのでしょうか。A社の方針に不満があったのならば、A社から完全に離れたい、と思うのが普通ではないでしょうか。
それともA社は「C常務が社長になる新会社に移籍するなら独立を許すが、そうでなければ許さない」と言ったのでしょうか。もしそうならば、優越的地位の濫用ではないでしょうか。
あるいは、Sさん・Kさんの方から、「A社の方針が気に入らないので独立するけれど、仕事で困るのは嫌なので、O会長に入ってほしいし、資金も出してほしい。担当マネージャーも移籍させてほしい。」という要望があったのでしょうか。
そのような都合の良い要望があったとすれば、A社が「出ていくタレント」にそこまでの厚遇を認めた理由は何でしょうか。

(6)タレントも従業員も家族のように大切にしているA社ですが、この記事によれば、春馬さんの急逝時に俳優部門の責任者だったのはI副社長だ、と言っているようなものです。株主総会でI副社長に質問が集中しても構わない、ということでしょうか。いずれ、I副社長の不再任か、辞任が決まっていて、それで会社として「責任をとった」という形を作りたいのでしょうか。

その他にも思うところは色々あります。

(7) この記事は非常にさりげなく、ドラマ関係者を使って、「春馬さんの自○の理由はいまも明らかになっていない」と書いています。今までさんざん書いてきた「家族関係のトラブル」はどこへ行ってしまったのだろう、と思います。

(8) 「A社の管理責任」とは書いていますが、芸能事務所の管理責任といえば、まずは「スケジュール管理」と「体調管理」ではないでしょうか。
たとえば、急逝前2年間の過密スケジュールは客観的に明らかなのに、その点には一切触れず、まるで「会社所有の装置が壊れたのは管理が悪かったから」と書いているのと同じように感じます。
結局、A社が春馬さんの急逝にどのような責任があるのかは、まったく分からないままです。

(9) 俳優のNさんの留学には触れていますが、今まであれほど熱心に否定していた春馬さんの留学からの途中帰国については、この記事は一言も書いていません。Nさんを「留学させる」ことができる会社なら、春馬さんを「留学から途中で戻す」こともできそうですが。

(10)  最後に「芸能事務所のごたごた」と抽象的に書いていますが、A社に関する申告が公取委に多く寄せられていることは明らかなのに、それについても一切触れられていません。

この記事を読むと、結局、A社所属の複数のタレントや、役員については少しづつネガティブな情報をまぶしつつも、A社本体・O会長・N社長については傷をつけない記事になっているように思えます。

独立劇に関する全体的なストーリーも、私は、自分の推測の方が辻褄があっているような気がしています。

ぽんた

2021-03-28 13:07:32