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ありがとうございます。
報道されている情報を全体として見る限り、不自然さが気になる「独立」だと思います。
もしA社が、経営の合理化やスピードアップを図って戦略的に新会社を設立するならば、たとえば俳優部門を全部切り出して、100%子会社に事業譲渡することを考えると思います。
YouTubeなど比較的新しいビジネス分野で他社のノウハウを取り入れたいならば、他社と共同出資で合弁会社を作る形態をとるかもしれませんが、いずれにせよ新会社の意思決定に影響力を持てるだけの株式は保有すると思います。
でも、「持ち株比率50%以上の連結子会社でなければ、20~50%の非連結子会社、関連会社等の持分法適用会社でもない。」という程度の低い割合の持分であれば、少なくともA社としては、新会社の意思決定に影響を与えることはできません。
(引用された記事にあるように、A社の会長や会長の資産運用会社が新会社に出資している可能性はあると思いますが、いずれにせよA社とは別人格です。)
株式を持っていれば少なくとも収益が出た場合の配当を期待できる、と言えるかもしれませんが、会社を設立してから経営基盤が安定するまでの間は、通常は配当など期待できないと思います。
これが、「A社の取締役が、人気俳優2人と担当マネージャーを連れて独立して、新会社を作った」となると、A社にとっては「裏切り」以外の何ものでもありません。
公取委は、現在、このような場合でも、「A社が移籍したタレントの芸能活動を妨害するような行為をすることは独禁法に照らして不適切だ」という立場をとっている訳ですが、だからといって、裏切者が作った新会社に資金提供するような寛大な対応までA社に要請しているわけではありません。
ロックバンドの方の独立については、A社がバンドが作る新会社からファンクラブ運営などの一定の業務委託を受けるような報道がされています。もしこれが事実であれば、新会社からA社に業務委託契約の対価が入ることになります。
でも、俳優2人の新会社については今のところそのような報道も目にしていないので、A社にとって、この新会社に出資することのビジネス上のメリットは何なのか、疑問です。(株主総会で質問が出るかもしれません。)
また、A社と新会社の間に良好な関係があるならば(出資して会長が相談役になるくらいなので非常に良好なのでしょう)、新会社の代表となる取締役を、任期満了まではA社の取締役にしたままでも良いように思えるのですが、任期途中で退任させる理由もよく分かりません。
このように個人的には、いろいろと疑問を持たざるを得ないのですが、☆さんもご指摘のように、A社に公取委の調査が入り、タレントの独立を妨害するような優越的地位の濫用の可能性を指摘され、だから、急いで「契約満了・円満退社・独立・圧力なし」をアピールする必要があった(円満を強調するあまり若干奇妙なスキームになった)、さらに、「何らかの理由で」1人の取締役にこの時期に辞任してもらう必要があった、と考えると、いろいろと納得できる気がします。
会長が関与したのは、この機に乗じて新会社が本当に自由勝手に動き始めないように釘を刺しているのだろう、と思えば納得できます。
(勝手な解釈をするな、と怒られるかもしれませんが。)
ぽんた
2021-03-22 09:13:43