ぽんたさんは、今回の春馬くんの件を少しでも切り崩すには、公取委が動くのが良いのではないかという見解でした。

今、公取委が動いてくれていることを心から願っています。

そして、A社の力が弱まり、今まで忖度していたマスコミや、怖くて発信できなかった真実を知っている方達も発信できるようになりますように!

 

転載させて頂きました。

ありがとうございます。

 

独占禁止法第19条は「不公正な取引方法」を禁止しています。
『優越的地位の濫用』は、独禁法において「不公正な取引方法」の一つとして禁止されています(第2条第9項第5号)。
(ネットでは色々な表記が混在していますが、法律的には”優越的地位の濫用”が正しい用語です。)

法律の規定に従って説明すると、
「自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に、取引の相手方に不利益となるように取引の条件を設定し、若しくは変更し、又は取引を実施すること」
が『優越的地位の濫用』にあたります。

しかし、これでは具体的にどのような場合に優越的地位の濫用にあたるのか判断が難しいので、公正取引員会は、様々な形でガイドラインや具体的事例を公表しています。

2019年8月に、公取委は、芸能分野で独占禁止法上問題となりうる行為について、移籍・独立に関するもの、待遇に関するもの、競争政策上望ましくないものに分けて想定例を公表しました。
広く報道もされたので、ご存知の方もいると思います。
http://www.koutori-kyokai.or.jp/other/no2.html
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49052000X20C19A8CC1000


上記の事例を見れば、移籍・独立が絡まなくても優越的地位の濫用に該当する可能性があることは分かりますが、具体的な事案が「優越的地位の濫用」に該当するかどうかは、様々な要素を考慮して判断する必要があります。

「勝手にドラマ出演を決めてしまった」「春馬さんの意向を無視するようなやり方だった」などの事情があったとしても、それだけで優越的地位の濫用にあたるかどうか判断することは難しいです。

A社はなぜか断固として否定しているのですが、もし、出演が暫定的に決まっていたタレントが不祥事を起こせば、そのタレントが降板し、代役(とA社は言わないかもしれませんが)が選ばれること自体は、広く行われていると思います。
出演番組自体が中止になると多くの関係者に損害が発生することも考えると、代役を立てることは、「正常な商慣習に照らして不当」とまでは言えないと思います。

また、一部で指摘されているように、もし、前のクールまでの番組が打ち切られることになって、それによってドラマの撮影スケジュールが早まったのであれば、もともと出演が決まっていたタレントに対して「変更後のスケジュールに対応してほしい」と依頼することも、「正常な商慣習に照らして不当」とまでは言えない気がします。

しかし、もし仮に、
① A社が前からの約束に従って春馬さんに6か月の約束で留学させた
② その後、本ドラマに当初出演が予定されていたタレントの不祥事があった
③ しかも前番組の都合で、本ドラマの開始時期が早まった
④ A社には、不祥事を起こしたタレントに代わって本ドラマに出演できそうなタレントが他にもいた
⑤ A社は、春馬さんの意向を無視して、春馬さんが本ドラマに出演するように話を進めた
というような事情がすべて存在したとすると、「正常な商慣習に照らして不当」と言える余地が出てくるように思えます。
(あくまでも私の個人的な印象であり、断言はできませんが。)

 

ぽんた 

2021-01-11 17:26:02

 

すでにご存じかもしれませんが、芸能事務所と独禁法に関連して、文春さんが興味深い記事を掲載しました。
長いですが、元公取委トップが語っている貴重な記事なので、もしよろしければ読んでみてください。

「元SMAPの3人めぐって…公正取引委員会がジャニーズ事務所を「注意」した真意とは / 杉本和行元公取委員長インタビュー #1」
https://bunshun.jp/articles/-/42808

文春は、去年の10月にも公取委に言及する記事を掲載していました。(「能年玲奈はなぜ消えたのか」 判決確定「週刊文春」はこう考える https://bunshun.jp/articles/-/41061)。

その時にもこちらで書いたのですが(2020/10/24) 、私は、文春などの週刊誌の記事には、A社に忖度した(というよりもむしろA社に頼まれて掲載したような)記事が散見される一方で、本当に春馬さんを評価していたと思われる記者や、A社について思うことがある記者がある種の意図をもって書いているような記事もある、と感じています。

春馬さんに関しては批判されることが多い文春ですが、高い取材力があることは明らかなので、良心のある記者に是非頑張ってほしい、と密かに応援しています。

 

ぽんた

2021-01-15 13:35:35

 

良心のある記者達や公取委が今後大きく動いてくれる事はあるのでしょうかという質問に対して

 

個人的には、公取委が本件について既に調査を始めている可能性もあると思っています。
芸能人を含む個人事業主の問題は、ここ数年公取委が注力している分野の1つですし、春馬さんの件に関しては、すでに複数の申告が公取委に寄せられているはずだからです。

独禁法や公取委という週刊誌的には地味なテーマを、文春がここ3カ月の間に複数回取り上げていることも、何らかの示唆や意向を示しているような気がしています。
(「芸能人・事務所・独禁法」の問題でよく言及されるJ社の問題も女優さんの実名問題も数年前の出来事で、このタイミングで再度紙面を割いて取り上げる理由が特に見当たりません。)

ただ、もしA社に公取委の調査が入ったことが報道されれば、それだけでもA社のイメージダウンに繋がりかねないので、公取委は、たとえ調査を開始しても慎重に動くと思われます。
J社のケースも、移籍した元メンバーに対する事務所の圧力がネットやSNSで指摘されるようになってから公取委の「注意」が報道されるまで、数年間を要しました。
個人的には、現時点でも、公取委が動いてくれることをあきらめていません。
(なお、元公取委トップが女優さんの件については『関知していない』と答えたと記事にはありますが、もし公取委が本当は関知して現在動いているとしても、同様に回答するのではないかと思っています。)

一方のメディアの方は、おそらく今はA社の力の変化を見計らっている状態ではないかと思います。
A社の場合、春馬さんの急逝後に所属タレントの移籍が相次いでいる様子はありません。しかし、通常は、タレントは現在の契約期間満了のタイミングで移籍することを考えるので、現時点で移籍の動きがないことはある意味当然だと思います。
(J社からの移籍・独立も、公取委の注意を受けた後しばらく時間を置いてから次々に報道されました。)

もし、今後A社からの移籍・独立が相次ぐような事態になれば、A社の弱体化を察知したメディアが、A社にとってマイナスの報道を一斉に始める可能性があると思っています。
(そのことと、一部で報道されたA社の本社移転計画に関連性があるかどうかは分かりませんが。)

ぽんた

2021-01-18 10:41:20