「好きな男のタイプは?」

という質問に「休日に夕方まで寝てしまうような男」とつい答えてしまう私は、いわゆる「ダメ男好きの女」だ。その事実をようやく最近認めることができた。

例えば、休みの日は海へ山へと駆け回りいつでも忙しくしている男。キラキラした瞳で将来へのキャリアプランを語る男。友情に厚く、1度かわした約束は必ず守る男。多彩な趣味と数々の輝かしい実績を持つ男。彼らはとても魅力的で、明日へのエネルギーに満ち溢れ、常に人の輪の中心にいる。彼らは社会にとって必要不可欠な存在である。我々一般市民が一般的に尊ぶべきは彼らのような存在である。それは分かる、が、いざそういう類の男を前にすると、私は眩しくて目も開けられなくなってしまうのだ。立派すぎる。立派すぎて、まったく現実味がない。

それよりも、少しダメなくらいが人間らしい。「明日は下北に買い物にいこうね」なんて話しながらだらだらと夜を明かし、結局翌日目が覚めたらもう外は暗かった、ああもうしょうがないまたやっちゃった、じゃあご飯でも食べに行こうか、なんて。そういうやり取りにこそ人生の神髄がある気がする。というか単純に、落ち着く。

堕ちていくひとを見るのが好きだ。それが自分の為であれば、尚よい。だらしない男、どうしようもない男、私の為にダメになってくれる男。そういう男の弱みに幸せを見出してしまう。

言うまでもなく、「ダメ男好きの女」である私は完全なる「ダメ女」である。