ママブロネタ「コラム」からの投稿
乳幼児期に大切な二つのこと(その1)では、
アドラー心理学で考える、人としての幸せの必要条件と、
人の生き方のベースができる乳幼児期の大切さ
について書きました。
今回は、では、具体的には・・・
ということを書いていきたいと思います。
赤ちゃんの頃は、泣くことで親を動かし、自分の課題を解決します。
お腹が空いては泣き、
気持ち悪くて泣き、
眠くても、さみしくても、etc・・・
自力で困ったことを解消できないので、
とにかく、泣くことで、代わりに親にやってもらいます。
だから、泣いたときに、親がちゃんとその子の課題に対処してあげれば、
その子は、なんとはなしの感覚でしょうが、
困ってもなんとかなる、
自分は大丈夫だ、
この世はいいところだ、
又、親は、自分の仲間だ、
ここに居たら安心だ、
そんな感覚も持つのではないでしょうか。
つまり、何となくの、自己有用感、安全感を獲得できるんだろうと思うんですね。
それはアドラー心理学の子育てで大事にしている子どもに持ってほしい信念
「自分には能力がある」「人々は仲間だ」と同じです。
では、子どもがもう少し大きくなって、親がやってほしくないことをいろいろやりだす時期になったらどうしましょう?
すごく脳が発達する頃だから、なるべくいろんな体験をさせてあげたいところですよね~
なので、危険なことと、他者に迷惑がかかることなど以外は、あまり制止したくはないものです。
では、その制止しないといけないときは、怒る必要があるかというと、
そうではなく、
優しくきっぱりと、「これはダメです」と伝え、
抱っこしてその場から引き離すとか、
持っているものを取り上げるとかでいいようです。
先日、こんなことがありました。
家庭教育支援のワークショップでのこと・・・
お母さんについてきている1,2歳の子が、講座用の材料を触ろうとしたとき、
保育士さんは、その子を抱っこしてその場から引き離しました。
その子は「泣いて怒って」の状態でしたが、
抱っこして園庭の方に連れて行き、ほかの遊びに誘っていました。
素晴らしい対応だなあと思いました。
まだ言い聞かせてわかる年齢でなければ、こういう対処法が一番いいのではないでしょうか・・・
こんな対処法で、子どもが何を学ぶかというと、たぶん・・・
「なぜだかわからないけど、やりたくてもできないこともある」
「人々は仲間だ」
では、もし、親が、わからせよう、次から同じことをしないようにしっかり懲りさせておこうなどと思って強く叱ったとしたら、子どもが学ぶのはどういうことでしょうか?
多分・・・
「親は、時々自分の敵だ」
「どうやらいつも安全だとは限らないようだ」
こんなことかもしれません。
もう一つ、あまりないとは思いますが、
もし、親が他者への迷惑も顧みず、自分の子どもの好き放題を止めなかったとしたら、
子どもが学ぶことは・・・
「なんでも思い通りにできる」
「自分の思うように動いてもいいんだ」
こういう風なことを学ぶかもしれません。
アドラー流子育てで学んでほしいのは、
「自分には能力がある」
「人々は仲間だ」
ということです。
それから考えると、この保育士さんの対応はとても理にかなっていると思います。
アドラー育児では、限界設定が大切だと言われます。
やっていいことの中でその子に自分の行動を選んでほしいんですね。
成長して言葉もしっかり理解し、因果関係もわかるようになれば、
いろいろ言い聞かせることもできます。
でも、幼児はまだファンタジーの世界に住んでいて、夢と現実が同居していたり、
魔法を信じていたり・・・未来予測も難しかったりの時期です。
「わからせる」にこだわる必要はないと思います。
やがてわかる時期は来るのですから・・・
子どもが今の段階で、何が理解できて、何はまだわからないのか、
それをしっかり把握して対応したいものです。
乳幼児期に学んでほしいのは、
自分は大丈夫だ、
親は信頼できる仲間だ、
世界は基本的に安全だ、
でも、世の中にはしてはいけないことがあるようだ、
時として思い通りにならないこともある、
こんなことなんだと思います。
こういうベースができていると、
児童期に入り、論理的思考ができるようになってから
社会性(共同体感覚)が育ちやすいように思います。
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