ユーザー車検に向けてのバイクいじりのついで、両側白金イリジウムプラグに変えたい!

 

 

地獄はここから始まった

 

少し前、F800Sに乗っていて気になることがありました。

アイドリングが少々不安定で、1000~1200を行ったり来たりするのです。スロットル操作には関係なく、今までもこの状態で走ってきたのです。エアクリーナーのバキュームパイプのひび割れを補修したときに、同時にインマニにもひび割れがあることを確認していました。このバイクも新車から十年以上が経過し、ゴム系部品にガタが来てもおかしくなく、二次エアを疑い始めていました。

また、スロットルボディも気筒に対して独立しているので(バイクは大体みんなそう)シリンダー内摩耗による同調の狂いが発生し、アイドル不調に落ちいているのかもしれません。

ついでにスパークプラグもかえちゃおうということです。

絶対にプラグは触るべきではなかった

ちなみにスパークプラグそのものは問題ありません。取り付けの際に誤った方法で脱着し別の何かを壊したということになります。

 

 

まず同調ゲージで吸気圧を測ります。これは本来XZ400の同調に使おうとしていた負圧計で、海外だとこれで測るのがメジャーらしいです。4気筒車が好まれる日本では4連メーターの方が一般的ですね。

いい値段するので、せっかく日の目を見ることになったのですが、さすがドイツの工業力、7万キロ走っても消耗状態が2気筒そろっていて、まったく吸気量のズレがありません。つまり同調作業はしなくていいということです。無駄足に感じるかもしれませんが、必要がないと結論付けることも整備です。

 

次に、スパークプラグを交換していきます。冒頭の写真にもあったように、現在装備しているNGKのDCPR8EをデンソーのイリジウムタフIVXU24に交換します。NGKの方は当ブログで一度交換していて、1年くらい使用しただけです。しかしせっかくインジェクションのバイクです。交換してみたいのです。

XZ400であれだけ悩まされた、燃調が狂った場合すぐ燻って調子が悪くなる、キャブ車にイリジウムを入れたときの特有のトラブルが発生しません。インジェクション車の燃調が狂うことはまずないからです。

 

で、ここからが本題なのですが

F800Sのイグニッションコイルは、ヘッドカバーにねじ止めするタイプではなく、端子のくぼみとエンジン戸の隙間でピッタリ密着するタイプです。ねじを外せば簡単に抜ける国産車と違い、すっごい力で引っこ抜く必要があります。本来は専用工具があり、イグニッションコイルプーラーというもので抜かなくてはなりません。しかしそんなものはうちにはない。

前回は長いマイナスドライバーとあて木で、てこの原理で引っこ抜き交換していました。今回も同じてを使いました。車体右側のコイルは抜けました。あとは左側・・・おっと手が!

メ    リ

ブシュウウウウウウウ・・・・・ッッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ペロ・・・

これはガソリン!

 

 

 

 

 

なんと!デリバリーパイプを折ってしまいました!これでは燃圧を保てないどころか、ガソリンが垂れ流しです。これでは車検に通りません。というかエンジンもかけられません。さっきまで元気に動いていたエンジンは突然死んだのです。

 

 

見るも無残な姿のデリバリーパイプ。プラスチック製で、タケノコ状のエルボーの根元から折れたようです。パイプの表面にも亀裂が走っています。完全に医療ミスです。

 

 

ちなみにおよそ1年半ほど使用したプラグはこんな感じ。ちょっと燻り気味です。

BMWは排ガス規制の対策で、アイドル時はかなり薄めになっていると聞いていますが、その他の領域では結構濃いみたいです。

 

で、イリジウム本当に必要だったのか?

燻りめだと電極すぐカーボンまみれになって逆効果になるってXZ400で学んでなかったのか?

 

でりゃぁ!イリジウムにしたかったんだで!

両側白金だぞおめぇ!!

 

 

混乱のあまり悪魔博士に魂を売ってしまったので、LLC強化剤を入れてファンタスティック・フォーに救援を求めます。

 

 

3日後

 

 

 

 

ヤフオクでスロットルを買いました。新品はBMWの純正部品にしては安めですが、すぐには手に入らないので中古を探しました。F800GSのものですが、まったく同じです。

スロットルの状態はどちらも同じなので、下手に触らず、デリバリーパイプだけを移植します。

 

 

インジェクターは全く同じものがついていました。買ってきた方が少しきれいなので、センサー類も付け替えたりせず丸ごと移植します。燃料ホースも少し新しそうなので、これもそのまま使います。

ところがこの考えが裏目に出ました

 

 

ホースの取り回しをして、最後にクランプで接続します。

 

 

さて、F800Sの燃料ホースクランプはキャブ車のそれとはまったく違います。

キャブ車はただガソリンが流れてるだけだったり、ポンプ併用でもフロートバルブで止められる程度のショボイ燃圧しかかかりませんが、インジェクション車はインジェクターでせき止め、ソレノイドで動かして噴射する都合、キャブ車と比べるまでもなく燃圧が高く設定されます。プライヤーで脱着できる針金みたいなやつは論外で、ラジエーターホースくらい強力なものが必要です。

F800Sに使われるクランプはイヤークランプというもので、イヤーつまり耳がついており、ここを専用のプライヤーでカシメることでクランプを絞って固定するものです。Cリングがホースとクランプの間に入ることで耳の隙間を埋め、均一に絞ることができ燃料漏れを防ぎます。

 

 

問題は外すときです。ホースを新しくする都合、古いホースを外さなくてはなりません。イヤークランプを切除する必要があります。しっかしこれめっちゃ硬い、ほんまに硬い、ニッパーでもワイヤーカッターでもびくともせん。力の入るこのクランププライヤーで耳を縦に切断するしかありません。それでも硬い!しかも滑る!どうにかこうにか角度をつけてみて、切除を試みます。

それっ!ポキ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人は、過ちを繰り返す。

 

我々の祖先が地球に生を受け、武器を手に入れた時から争いは繰り返されてきた。

時に神の名の下に、時に正義の名の下に。またある時は狂気の下に。

 

 

 

 

やっっっっっっっっっっっっっってしまいましたね。南無三です。

デリバリーパイプといい燃料ポンプのエルボといい、割と強度的に無理かかる場所プラスチックで作るの正直どうかしてると思います。国産車もプラスチックが多いですが、クイックカプラになってたり、エルボの部分はメッキパイプになってたり工夫してます。デリバリーパイプなんて圧力のかかる場所プラスチックで作りません。

なんか意識が高いのか知りませんがドイツ人こういうのプラで作りがちです。アウディーのV6かなんかデリバリーパイプをプラスチックで作ったやつ、リコールになってたでしょ。あとドイツのプラは意識が高すぎてリサイクル材を多用するためきっちり10年でほぼダメになります。多いのが電線の被膜がチリチリになってハゲるの、どんだけ古い国産車でも見たことありますか?

 

 

さてデリバリーパイプと違いこちらは中古品が出回ってません。そろそろ燃料ポンプもOHが必要と聞きましたが、そんな金はないからユーザー車検なんかしようとしてるんだろ分かれよ車買ったんだぞ。

 

 

プラスチックの材質はポリアミドで、熱可塑性樹脂だと判明したため、はんだごて溶かしてくっつくか試します。予想外にしっかりくっついたため、接合面をその辺にあったプラスチックで補強し、オートウェルドを塗りたくります。

 

 

強度的には十分ですが、漏れがないか心配です。とりあえずエンジンをかけることに成功しました。

今のところ漏れはないので、応急的には修理できたと思います。

 

 

さて、これで車検に出せる!と思い走行、しかしまた別の問題が発生し、この日は断念。

アイドルが落ちません。二次エアを疑っていたため、アクセルを煽りましたが変化なし。確認すると、スロットルバルブが何かに引っかかって戻らず、開きっぱなしになっていました。

 

 

原因は依然交換したISCVとスロットルボディをバイパスするホースが、バルブ連結部に干渉し引っかかっていました。劣化したホースを交換する際、内径しか見ていなかったため外形が太すぎ、エアクリーナーボックス裏のホルダーに入らず遊んでいたため、干渉したようです。しかし今までもこの状態でちゃんと走れていたため、今になってトラブルになるとは全く予想外でした。

少し細いシリコン燃料ホースに変えたため、ホルダーに収まり遊ぶことはないでしょう。

 

結局車検を受けられず、満期が訪れ公道走行ができなくなりました。

XZ400と共に不動車になった

おれはいったい何のために生きているのかわからなくなります。

 

 

いっそ動けないのであれば、動けないうちに劣化した部分を徹底的に片づけてやりましょう!

インマニをエンジンから引っこ抜き、どのくらい劣化してるのか確認し、補修または交換してやります。

 

 

取り外して単品で見てみると、劣化は意外と深刻でした。エンジン側はイヤークランプ、スロットル側はいつものねじ止めのクランプで固定されています。このクランプに沿って亀裂が入っていました。この程度であればゴム系接着剤やシール材を塗りたくって修復できると思っていましたが・・・

 

 

力を入れるとこの通り、かなり亀裂が深いことがわかります。スロットルボディを取り外すときかなり緩かったので、強度的にも弱くなっていると思います。

 

ところで気づいたのですが、このインマニ、インシュレーターとも言いますが、手でグニグニ曲げることができます。

あなたのバイクのインマニ、これできますか?少なくともXZ400ではできません(例が局所的過ぎて分かりにくい)それはなぜか?バイクのインマニはゴムの中に鉄パイプが埋め込まれていて、それがキャブやスロットルを支えているんですね~。なのでキャブ側はスピゴットとクランプで固定しますが、エンジン側はボルトかナット留めで、シリンダーヘッドにガッチリ固定できるはずです。

 

お前フニャフニャやな!強度もクソもねぇ!

ということはBMWのFシリーズ、分岐したGシリーズも、もしかしたら直列エンジンタイプは皆そうか?インマニにキャブ・スロットルを支える強度はありません。宙に浮いているようなものです。ではどうやって支持しているのか?

 

F800Sの場合サージタンクを兼ねた巨大なエアクリーナーボックスがかぶさるのですが、車でいうバキュームパイプのようなものでスロットルに接続します。エアクリーナー側は不思議なことにクランプを用いず、エアクリーナーをフレームにねじ止めすることで押さえつけるように固定します。スロットルを上のゴムパイプ、下のゴムパイプでサンドイッチしてるわけです。本当に宙に浮いてるじゃねぇか

いや、国産車でもパワーフィルターや直キャブにしたらキャブ宙に浮くじゃんって思うじゃないですか、でもインマニの方にはまだ鉄心が入ってます。スクーターだとそもそも鉄パイプだったり、2ストだとキャブの後ろはすぐ圧縮過程になるので絶対に金属です。キャブを支える強度はあるんですよ。それがBMWにはないんです。外車はこれが普通なんですか?

 

BMWの直列エンジンで調べていたら、K100RSまでは国産車に近いねじ止めのインマニでしたが、K1200RS(縦置きエンジン)の頃からどうもフニャフニャのインマニを採用しているみたいです。振動吸収の面ではかなり効果的な構造に見えますが、10年も20年も持つかと言われれば疑問です。国産車でも30年もすれば絶対割れて二次エアを吸いますから、それまでに寿命が来るはずです。

いや、まぁ交換すればいいんでしょうけど・・・

 

 

燃料ポンプのエルボとインマニ、インマニ用のイヤークランプを発注しました。XZ400と違うのはちゃんとすべての部品が出ること。値段は高いし、納期は1ヵ月かかるし、足回り日本製の部品なのにいちいちドイツから時間とお金をかけて輸入しないといけないの?といろいろ疑問はあるけれど、それでも「部品が出る」、これほど嬉しいことはありません。

BMWはかなり古い車種でもしっかり部品出ますね。なぁホンダ?

ヤマハお前もだよ

 

安心と信頼のカワサキ・スズキ

 

 

ところで、交換時期が来ているドライブベルト

見積もりを取るごとに値段上がってるのなんとかならんか?

65000円台だったのが90000円まで値上がりしてるんだが、切れるぞ?ベルト