〇怒った?叔母の行動

その手紙に腹が立ったのか、

もともと決めていたのかは

わかりません。

 

叔母は、

夫の父に譲る資産をすべて、

自分の姪に譲ると言い出しました。

 

弁護士を雇い、

公正証書を変更しました。

 

それだけではなく、

夫の父から

すべて取り上げようとしたのです。

 

それによって、

夫の父は

定年後に勤めていた会社も

辞めることになりました。

 

 

〇夫の父の応戦

叔母の行動に、

夫の父も弁護士を雇い、

裁判が始まりました。

 

 

私は法律のことは

詳しくわかりませんが、

どう考えても、

夫の父が勝つと思っていました。

 

叔母の行動は、

めちゃくちゃでしたから。

 

 

裁判は3年かかり、

夫の父が疲弊していくのを

感じていました。

 

夫の母も眠れない日が

続いていたようです。

 

 

夫の父が、

「お金は、法律にも勝つんだな…」

「正義は、お金に負けるんだな…」

と、言っていました。

 

 

叔母は、

使いきれないほどのお金を持ち、

裁判にいくらかかってもいいと

言っていたそうです。


 

 

 

〇裁判の結果

「和解」となりました。

 

夫の父には「和解金」として

3年でかかった裁判費用が

支払われました。

 

それ、のみ、です。

 

貰うはずだった叔父の資産や、

辞めざるを得なくなった仕事や、

失ったものは、失ったままです。

 

 

これ以上裁判を続けても、

叔母が何をしだすかわからない。

 

 

高齢なこともあり、

このままでは

1円も取れないかもしれないと、

その「和解金」で

「和解」したそうです。

 

 

夫は、

「裁判費用が出たのだからいいじゃないか」

「もう忘れて、これからを楽しもうよ」と、

両親を励ましていました。

 

 

それが、今年の1月のことでした。

 

 

〇夫の父の変化

裁判が終わって、

夫の父はとても

憔悴しているように見えました。

 

いつもニコニコしている父は、

裁判の間に、

いなくなっていました。

 

怒りっぽくなり、

声を荒げることもありました。

 

 

夫の父は、今年80歳になります。

高齢のためもあると思います。

 

 

これからは、心穏やかに、

ゆっくり過ごせるといいなと

思っていました。

 

 

 

〇夫の父の検査

1月に裁判が終わった話を聞き、

 

2月には双子の保育園の発表会に

両家両親が来てくれて、

 

3月には毎年恒例の

夫の母のお誕生日会をして、

 

夫の父の体調が悪いと聞いたのが

4月でした。

 

 

4月に、

夫の祖母の法事で

親族の集まりがありました。

 

夫の父はあきらかに元気がなく、

笑うことも少ないように見えました。

 

「お父さん、体調どう?

荷物重そうだね、持とうか?」

と声をかけました。

 

「それがね、今度、

胃カメラとCTの検査を

することになったんだよ」と。

 

 

後から聞いた話ですが、

糖尿病の薬を飲んでいる父が

定期的な通院で病院に行ったときに、

貧血があったと相談し、

ヘモグロビンの数値が下がっていたため、

検査することになったようです。

 

 

 

〇胃カメラ、CTスキャン、MRI

胃カメラとCTスキャンは

同じ日でした。

 

検査結果を聞く日に、

「一緒に行こうか」と言いましたが

大丈夫と言われました。

 

夜まで父から連絡がなかったので、

私は不安になり夫の母に連絡しました。

 

「どうも、胃がんの疑いが濃いみたい。

転移があるかもしれないから、

今度はMRIの検査もするんだって。

その結果は、家族で聞きにくるようにって。

長男に来てもらうわ」

とのことでした。

 

 

私は胃がんについて毎日調べました。

MRIの検査のあとには

「疲れたよ、結果は来週です」

父から連絡がきました。

「早期なら完治するらしいよ、

みんなで協力してやっつけよう」

と返信しました。

 

 

 

〇夫の父の胃がんのステージ

MRI検査の結果は、

夫の兄が一緒に聞きに行き、

夕方、家まで来て、話してくれました。

「肝臓に転移していたって。

ステージで言ったら4みたい」

と聞き、頭が真っ白に、

いや、真っ黒になってしまいました。

 

 

「転移があると、ステージは4」

「手術はできず、5年生存率は7%」

頭のなかに、

ネットで見た情報が浮かびました。

 

 

 

兄の説明を聞きながら、

私は、

知っている情報が少ないから怖いんだ。

もっと調べよう。

と考えていました。

 

 

 

東京MITクリニックのホームページに、

こうありました。

 

 

「高度進行がん/ステージⅣ」と、

「末期がん」をけっして混同しないこと

 

進行がんの広がりを示す一般的な表記法に、

“ステージ(Stage)”という用語があります。

 

このステージを決める指標となるのが、

初発部位となるがん腫瘍の大きさや、

周囲のリンパ節への広がりに加えて、

他の臓器への転移が有るか無いかという

判定項目なのです。

 

ここで注意しなければならないのが、

がんを患った患者さまそれぞれの

ご病状とステージ表記は

“一致しない”という点です。

 

なぜなら、

ステージとは体内に存在している

がん腫瘍の状態や広がりを

記号化したものに過ぎず、

決して病状の悪化度合いを

表記したものではないからです。

希望を捨ててしまうには、

「まだ、まだ、」早すぎるのです。

(一部抜粋)

 

 

 

来月、

父は入院して

抗がん剤治療が始まります。

 

 

私にできるサポートを

考えながら、

一緒に戦っていきたいと

思っています。