いや~~面白かった。開演アナウンスから大笑い!!
英語と鹿児島弁が入り乱れる。「わっぜか」等のこってこての鹿児島弁をこんなに聞けるなんて最高ですわ。
そしてなんといっても字幕よ!!誰かが第4の出演者と言っていたけれど、まさにその通り。こんなに主張してくれる字幕くん、良すぎるわ。
 
1999年、アメリカのオデッサで起きた殺人事件、容疑者と警官と通訳に呼ばれた青年と3人だけの密室劇。真実とは?
 
何が上手いって、太平洋戦争中に通信を傍受されても大丈夫なように一番難解な方言として選ばれた「鹿児島弁」を使ったところだよな。柿澤さん、英語に鹿児島弁に大奮闘!!
エマちゃんの英語と迫田さんの鹿児島弁は聞いてるだけで心地良いww
 
ということで、多くの観客は「英語」「鹿児島弁」という自分が普段使いなれない「言語」で物語を目撃することとなる。
 
英語がわかると字幕でなるほどそう訳すのかという面白さもあるだろうし、鹿児島弁がわかると最後の迫田さん演じる勘太郎の言葉もなんなく聞き取れるし、かっきー演じる日高の鹿児島弁が頑張ってるけど微妙だなという感覚を、最後ちゃんと拾ってくれる楽しみもある、
 
けれど、それって全部わからなくていいわけで、人それぞれ楽しめばいいんだよな
 
言葉、言葉、言葉・・・残酷だな
 
迫田さんの勘太郎が流暢なイギリス英語(もちろん実際は日本語なんだけれど、それがイギリス英語であることはすんなりわかるし、違和感ないのも凄い)で話し出した途端、人格までも変わって見える、もちろん彼が嘘を告白して開き直ったというのもあるけれど、このシーン、日本のコンビニで働いている海外からの留学生のことを連想しちゃったんだよね、母国語ではないかつ習得が難しいという日本語で接客している彼らは、どう考えても言語能力が高いのに、たどたどしい日本語のために、見くびられてしまいがち・・・、いや違うだろうと・・・。
 
舞台がオデッサというのも上手いな、もちろんウクライナ(旧ソ連)のオデーサ(オデッサ)の話ではない、けれど、アメリカの地名は、それぞれの各国の移民が祖国に因んで名づけられてることも多いので、劇中でもロシアからの移民たちがオデッサ名付けたことは説明される。
ウクライナのオデッサと言えば「艦艇ポチョムキン」の乳母車のオデーサの階段がある、いやどうでもいい話なんだけれど
 
時代設定は1999年の初秋、何故この時なのだろうと友人たちとも話をしたのだけれど、プログラムでは触れられてないんだよね、でも1999年春にコロンバイン高校での銃乱射事件が起きていることで、銃規制の機運が高まったなどもあるのかなと。
 
「言語」で翻弄される人々を尻目に、ころころ転がり入ってきて、ちゃっかりご飯をもらってるアルマジロをふと思う。言葉ってなんだろうね。
そしてNHKの奇跡のレッスンで内村航平が言っていた「感覚の言語化」を思い出したりしたんだわ。
 
まぁいずれにしても鎌倉殿の十三人の北條方のお三方が楽しそうに活躍している姿はそれだけでも尊いな、エマちゃんのコメディエンヌの才能って素晴らしい、決して笑わせようとはしてないのにね、そしてやっぱり迫田さんだよ!!!声も良すぎ💗