マルタいう台詞にゾワッとしたのだけれどさらりと流れていって、2000年初演なんだよね、当時の感覚なのか今の感覚なのか
後ろの男性が「文学とかの教養があればもっと楽しめるのだろうけれど」とお連れさんに溢されててちょっと考えちゃったよ
後ろの男性が「文学とかの教養があればもっと楽しめるのだろうけれど」とお連れさんに溢されててちょっと考えちゃったよ
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「連鎖街のひとびと」を消化できずにいる
加納さん千葉さんを筆頭に芝居巧者ばかりの舞台は笑いが多いコメディだったのだけれど、井上ひさしが書いたこの物語をそのまま受け入れることに抵抗している自分がいる
加納さん千葉さんを筆頭に芝居巧者ばかりの舞台は笑いが多いコメディだったのだけれど、井上ひさしが書いたこの物語をそのまま受け入れることに抵抗している自分がいる
つらつら考える
何故にジェニイではなく彼女の恋人の一彦が傷つき、彼を救おうと右往左往する仲間に何故にジェニイがいるのか、生きるために言い寄る市川を適当にあしらった彼女を目撃しただけで深く傷ついた顔をする男と一緒になって幸せになれるとは思えない
何故にジェニイではなく彼女の恋人の一彦が傷つき、彼を救おうと右往左往する仲間に何故にジェニイがいるのか、生きるために言い寄る市川を適当にあしらった彼女を目撃しただけで深く傷ついた顔をする男と一緒になって幸せになれるとは思えない
「満州には国民がいなかった」「マルタ」など、日本人の加害の言葉は飛び出してくるがそれは放り投げられて、
そこは観客がそれぞれ向き合うことなのかもしれないけれど、今上演するにあたってそれでいいのかなとも思う
ソ連人の長い名前を律儀にフルネームで呼ぶことで笑いを誘う芝居は、演者の絶妙さもあり抜群に面白いのだけれど、それでも誰かの大切な名前をしつこく笑いの種にする居心地の悪さがあった、寿限無であれば平気なんだけどあれには名付けのたっぷりの愛からくる間抜けさだから面白いわけで
演劇により救われることは確かに多いけれど、けれどもなのだ
というわけで、今回感じた違和感と居心地の悪さにもう少し時間をかけて向き合ってみようと思う