千秋楽に当日券で滑り込みセーフ!
弁慶可愛い😆なんてケラケラ笑いながら見ていたのに、義経に似てると呼び止めてからは号泣した
先代團十郎が病気をする前の勧進帳を思い出して夏雄ちゃんの不在を10年以上経つのに強く感じて、観終わって劇場を出ても涙が止まらなかった
歌舞伎では弁慶の飛び六方で幕だけれど、今日はその後のことを思って苦しくなったところにニュースが流れての富樫に更に涙腺崩壊
涙が止まらない
こんなこと誰の勧進帳でもなかったのに…
三代目猿之助の訃報であの2000年12月の歌舞伎座勧進帳を思い出したせいもあるか
番卒と四天王が反転する演出とか面白いなぁと思ってたのに、ごめんなさい、終盤は弁慶と富樫を観るので精一杯だった
延年の舞がit's a small worldとか反則だよ😭😭
鳥のさえずりで一気に安宅の関に連れて行く冒頭も、「頭を使え」で登場で富樫と弁慶をシンクロさせる脚本も、スピーカー音声を使い同じ場面を繰り返して弁慶側と富樫側と両方から見せる演出も好き
「如何に弁慶」から手を差し伸べる義経と恐縮する弁慶の間の光のボーダーライン、決して越えられない主従の壁にも泣けた
勧進帳の主役は確かに弁慶だけれど、富樫と義経と揃ってはじめて成立する、義経には絶対的な主としての格が必要だと思っているので、高山のえみさんの低めの声で場を制し、美しい所作に義経が義経だなと。強力に扮しているので笠、ここでは帽子を目深にかぶり実は控えてる時間が長いので難しい役だよな
リー5世さんの弁慶!登場し膝をつき控える後ろ姿がキュートで好き!から、なんとなく十二代目團十郎の弁慶が重なり、山伏問答で、病気する前の富樫と二人息を詰めていくような姿を思い出したら、もう観ることがかなわない弁慶に涙が溢れて、また目の前にいる弁慶の愛に溢れておおらかで愛嬌と頼りがいのある姿に弁慶の最期を思いもうわけがわからないくらいに泣けてしまった
いや、実際こうやって振り返るだけで泣けてしまう、歌舞伎で誰の勧進帳を観てもこんなことなったことないのに

そして坂口涼太郎さんの富樫が素晴らしい!
ロングコートを纏い椅子の上にしゃがむ姿がまず美しい、らんまんの分家くんもとても良かったので役者さんとして信頼できる人だとは思っていたけれど、番卒が恐れる富樫の鋭さと中央から新たに作られた関所へやってき異質感とうっすら倦怠感がありいい、プライドとコンプレックスを抱える、奥行きのある富樫、人付き合い苦手なんだろうなぁ
その富樫が弁慶と対峙することで、自分の中の誰かと素直に向き合いたいという感情を受け入れたようにみえる、両手一杯に酒とつまみを持ってきて一行振る舞う不器用な富樫の緊張と喜びに胸が苦しくなる、レジャーシートなんて使ったことないし、誰かに助けを乞うことなんてしたことなかったのだろうな、富樫が酒とつまみを用意している様まで目に浮かぶ、そうして、弁慶に受け入れて貰った時の嬉しそうな様から、四天王も加わって宴会になると彼らから離れて眩しそうにみている時ももうずっと泣いている富樫に、こちらも涙が止まらなかった
義経を見逃した罪を問われるであろう富樫は、弁慶の最期の報を聞くまで生きていたのか、生きていたのたらどんな思いで聞いたのか
いずれにしても富樫の人生の中で、弁慶との出逢いは煌めく宝物のような出来事なんだろうな
関所というボーダーライン、主従の壁というボーダーライン、関守と番卒という身分間のボーダーライン、人々は意識してまた無意識に線を引きたがる、けれどその線はいつだって乗り越えられるし無効化できるのだ、富樫の心に弁慶が飛び込んで来たように、そして富樫が乗り越えたように
いやこれ見逃さなくてほんと良かった
そうそう、義経が山伏に扮していることが頼朝にばれていると知った駿河次郎が「死にたくない」とパニックを起こす場面で、常陸坊が大丈夫だといい、亀井六郎と片岡八郎もなだめつつ、なんで大丈夫と言えるのかと常陸坊に詰め寄る場面、「死にたくない」と泣き叫んでいる【彼】を隣の独房で寝たふりして放っておいた【私】を思い出し、【彼】もこうやってなだめる大人が周りにいればと思ったのは、お隣のウエストに通い過ぎてるからだな(笑)