GYAOで8月26日まで無料公開中ということで。

英語タイトルはDenial(否認)なのに何故こんな邦題なんだろう?

そもそもの原著の「History on Trial: My Day in Court with a Holocaust Denier」を『否定と肯定 ホロコーストの真実をめぐる戦い』という日本語タイトルになってるところからの邦題なんだろうけど。。。

 


この裁判なんとなく覚えがあり、当時不思議な裁判が行われたんだぁと思ったのだ。

ホロコースト否認論者として中傷されたという名誉毀損裁判だったのだが、ホロコーストが無かったと主張する方がなぜ裁判を起こせるのだろうとわからなかったというか。その疑問がやっと解消(^^)

 

さて、主人公のリップシュタットが、お近づきになりたくないタイプの人物でちょいイライラしながら、それでも彼女が文句を言いつつも、自分の弁護団を信じる姿がいい。反発しながらも受け入れていくリップシュタット。初めは自分はアメリカ人だから法廷でお辞儀なんてしないと言っていたのに、最後はちゃんとみんなと一緒にお辞儀している姿に感動を覚えちゃったわ。その彼女に忍耐強く付き合う人々が魅力的なんだけれどね。

 

わけのわからない陰謀論がはびこる現代において、先導的でわかりやすく耳障りのよいアーヴィングの主張が受け入れられたのもわからんでもないな。だからこそ怖いよね。

このような裁判が日本で成立するかといわれると疑問だな。事実を淡々と積み上げる立証ができるのかな。できて欲しいと思うけれど。安易に両論併記しちゃうしなぁ。

 

裁判に勝った後の記者会見で述べられたリップシュタットの言葉

「なんでも述べる自由はあっても嘘と説明責任の放棄は許されない」

「意見は多種多様だが否定できない事柄がある」

 

言論の自由は、それを悪用することを許さないことで、言論の自由は守られるという言葉は重いわ。

 

裁判の為にアウシュビッツを訪れるシーンが圧巻。やっぱり歩けるうちに現地を訪れたい。