演劇としての醍醐味をたっぷり受け取れる舞台

 シンプルなセット

複数の時空が自然に存在する演出

瞬時に人格や年齢が入れ替わる圧巻の演技

美しい台詞

観る価値はある舞台

 

出演者では麻実れいが圧倒的

声を張らなくても当たり前のように心まで届いてくる台詞

佇まいの格好良さと存在感

何気ない台詞として動きで笑いを誘う

そこに全く押しつけがましさはない凄さ

66歳のリュスが、過去を語るとき一瞬で若返り、「うん」の言葉から瞬時に子どもに戻る

凄すぎるわ

 

岡本建一も凄い

複数役を演じるのだが、特に三幕のサミュエルとバチスタの演じ分けには驚愕

瞬時に二役をいったりきたりするだけでも凄いのに若いサミュエルになると肌艶までまるで違って見えたの何びっくり

 

瀧本美織、成河の2人は通し役 母親、父親の呪いでがんじがらめになっている二人の旅はどこか哀しく滑稽でもある

瀧本美織を舞台でみるのは狸御殿以来。可愛いねぇキラキラしてるねぇの印象しかなかったのでこんなに出来る人なのかと感動

 

成河は通し役で、複数役の演じ分けの力をみせることはないけれど、久しぶりにわりと普通の人、壊れた部分を抱えているけれどね(笑)

初日より笑いを誘わないように押さえてた印象

やっぱり声好きだな

 

小柳友のエドガーと松岡依都美のリュディヴィーヌの実在感が好きだわ。

自分自身が所謂演劇的な張り上げた台詞回しは好きではないのだなぁと、色々考えるところはあったのだけれど、二人はその体からそのまま出た声に張りと丸みがあって温もりが感じられたので、ちょっとハマりそう。