今期はコロナ禍の影響で、ある程度キャストの組み合わせを固定してローテーションが組まれている。2クール目は今日で終了、2日間の休演日で入れ替え稽古かな。
 
ということで、佐藤バルジャンと上原ジャベールの組み合わせは東京ではこれが最後。

同じ組み合わせで芝居を積み重ねることで、息遣いまで合ってくるってことを、特に橋本じゅん&森公美子のテナ夫妻で感じた。二人で悪だくみするときの目線、表情の切り替えがぞわぞわする程にピッタリで、素晴らしいわぁ。もりくみさんがどっしり受けてくれるので、じゅんさんが安心して自分のテナルディエを生きられてる感じが素晴らしい。
 
シュガー・バルジャン、殴られ方が上手くなった?(笑)
荒くれ度合いが増して、プロローグが更に見応えが出た。感情の高ぶりのままに荒い発声は意図的なのかたまたまなのか。仮出獄を告げられた時に、「俺はジャン・バルジャン」と名乗る時に理不尽さへの憤りと人としての誇りに、理生ジャベール恋に落ちてない?いや、恋ではないけれど、ジャベールの中にジャン・バルジャンが刻み込まれたということが伝わってきて、2クールで積み重ねたシュガーバルジャンと理生ジャベールのなせる業だよなと。
 
優しいけれど、激昂しやすいバルジャン、農場を追い出された後、少年のお金を奪わなければ納屋ぐらい貸してもらえたかもしれないのになぁ・・・。
 
鎌田司教は優しさゆえの厳しさのある人。捨てられた子犬ようになったバルジャンに厳しく諭す優しさに泣かされた。けれど、「俺はジャン・バルジャン」だと言っていた彼が、ジャン・バルジャンの世界から決別する、その名を捨てるとの決意に、胸が痛んだ。
 
工場のシーンで喧嘩をいさめるマドレーヌ市長のバルジャン、ここでイラつきを見せるのも激昂しやすいバルジャンらしくて好き。
 
知念ファンテーヌ、歌い方が変わって聞きやすくなっていた。2019の歌ってます!!って感じがどうしても受け付けなかったのでね。別に歌謡ショーじゃないしなぁ。そこまで聴きたい歌声じゃないしなぁ・・・と。でも今回は感情を乗せか弱さと弱さを見せて歌ってくれてたので、しっくりきた。
 
ラブリー・レイディたちのシーン、ファンテーヌを助けてくれるのは一番弱い立場にいる人たちで、バマタボアに傷つけられた時も最後まで助けようとしてくれるのは一番弱っていた病気の娼婦だというところに毎回胸が締め付けられる。弱い立場にあるからこその人の痛みがわかるという社会の縮図がここにある。
だからこそ、その後の娼婦たちを見下すジャベールの偏見に満ちた態度と、ファンテーヌを救うバルジャンの対比が際立つ気がする。
 
警官バイトの小野田アンジョと三浦マリウスが素敵すぎて、彼らになら逮捕されても諦めちゃうかも(笑)
 
ある程度組合せが固定させることで、息使いまで合ってくるってあるよね!
橋本テナとモリクミマダム最高だわ。阿吽の呼吸で見せてくれる。極道ぶりの息の合い方が絶品!!バルジャンの言葉に目を合わせて、金になりそうだと硬軟切り替えの鮮やかさがいいわあ。筋金入りの悪党たちって感じで好き。
今日もバルジャンはテナ夫人の香水にむせてましたわw
 
リトルコゼットの夢見る夢子ちゃんの雰囲気がいい。
 
今日も井伊巧くんのガブローシュ!大好きラブ
 
小野田アンジョルラスと三浦マリウスが登場した瞬間ライトが当たったように見えた。長身の二人が並んだ時のスター性よ!いやぁ小野田くんどんどん素敵になってくるよなぁ。実力者がスター性を身に着けたら無敵だわ。
 
ぶつかって目があって恋に落ちたマリウスとコゼット。いろはコゼットは立ち上がった瞬間から表情をほころばせて恋する乙女💕💕。いやぁ可愛いわぁ。フワフワ浮いてるよねww。浮かれたマリウスと二人可愛い~~。
 
ジャベールの「娘がいたが」の言葉で、目を合わせて「コゼット、コゼットだ!」とひそひそ確かめ合う橋本テナとモリクミテナ夫人。アドリブだよね。この二人ならば、コゼットがいる間は猫可愛がりしていたエポニーヌに対して、コゼットがいなくなったら、お前がかわりに働かなくてどうするのと、手のひら返しで冷たい態度を取り、ガブローシュを産み捨てたのだろうなぁというのも用意に想像がつく。
 
今日の理生ジャベールのStars素晴らしかった!バルジャンを見つけた喜びに溢れてる暗い執着の中の希望!いいわぁ。落ちていく先は「炎の中」と言っていたジャベールが川に落ちて死を選ぶ、この炎と水の対比も皮肉だよな。
 
ABCカフェ、学生たちに心酔するガブローシュを心配している川島グランテールいいね。
恋に浮かれるなとアンジョに言われた後にマリウスが恋に浮かれてるぼんぼんではなく、愛で人は変われるんだということが何故わからないんだ!というように、どこか怒りともどかしさをにじませて強気で歌うのがいいわ。あまあまの恋するマリウスも好きだけどねてへぺろ

いろはコゼットは愛されて育った娘。年頃で父親にプンスカする様がたまらなく愛らしい。バルジャン仕方ないよ、年頃の娘は父親を毛嫌いするのが、成長過程で正しい反応なのよ。自分の中に抱えたくらい過去の記憶と孤独を封じ込めて、年頃の娘の能天気さがあるいろはコゼットいいわぁ。彼も同じ気持ちかしらってウキウキする様は小さい頃の夢見る夢子ちゃんのまま爆  笑
 
三浦マリウスといろはコゼットだと、ふうかエポニーヌが、どうやっても間に割って入れず不憫過ぎる・・・。
 
いろはちゃん高音が綺麗に伸びるので、ODMの時もしっかり声が届くのが嬉しい。
 
ファンテーヌが亡くなった時は3日間の猶予をなんて言っておいて、ジャベールが追いかけてくると思うとさっさと逃げだす準備をするバルジャン、それなのに、マリウスの手紙を盗み読みして、慌ててマリウスを救いに砦に行こうと、逃げることなんて忘れしまう、この短慮さが、19年の監獄暮らしに繋がったのだろうなぁと納得させられる。けれど、彼はいつだって「誰かのため」の優しさで動くのだよね。自分のためではない。
 
ふうかエポニーヌの恵みの雨が素晴らしすぎて号泣。ずっと笑顔のエポニーヌ。そう彼女にとって、マリウスを愛し抜いて、彼の腕の中で迎える最期の時は幸せの時なんだよねえーんえーん
ふうかちゃんの繊細な演技の痛みをこらえた微笑みが美しすぎた。
 
小野田アンジョ、ガブローシュの亡骸をグランテールに託した後、その手に残るガブローシュの温もりと散ってしまった命の重さにつかの間動けず、そして握りしめて倒れこんで膝を抱えてしまう姿に、彼もまたただの理想に燃える一人の学生に過ぎぬのだと、決起の檄に胸が詰まり涙が止まらなかった。
 
シュガーバルジャンのBHHはその歌声に包まれて引き込まれてしまって、拍手を忘れる程。
 
理生ジャベールは、死にたいわけでなく、バルジャンの世界から逃げ出したいだけ。バルジャンに惹かれて変わろうとする自分を認められないだけなのかも。
 
カフェソング、マリウスが手にしたキャンドルの火が消えてしまっていてどうするのかな?と思ったら、キャンドルを高く掲げてから愛おしそうに胸に引き寄せて暗転。悲しみの余韻が広がった。
 
最期の時、コゼットを抱き締めながらマリウスと視線を交わしてほっとしたように神に召されたシュガーバルジャンえーん

「誰かを愛することは神様のお側にいることだ」との言葉が、しっかりとお互いを愛してるコゼットとマリウスの姿に安心と信頼と祝福のように聞こえてえーん
もう要するに泣きっぱなしえーん
 
最期の民衆の歌は、亡くなった人々の愛と想いに見守れたコゼットとマリウスが二人きりで前を向いて歌う。その力強さを感じるのは今のところこの二人だけ。
 
 
ということで、終演後は日比谷ミッドタウンでマリウスとコゼットを祝福してきましたわ照れ