これがスリルミー2021見納め
私:松岡広大
彼:山崎大輝
ピアノ:篠塚祐伴
狂気の世界に落ちていく山崎彼をなんとか繋ぎ止めないのに叶わず気づいたら線を踏み越えて、最後の最後になんとか守ろうとした筈なのに永遠に壊してしまった広大私
松岡私が語り始める、あ~~この私は迷ったままなのか。
だからラストの虚しさと禁断の森に迷いこんだまま
開幕して直ぐの松岡私は54歳の身体の使い方が成河私に似せて頑張ってると思ったけど、今日は無理に作ってない感じがして好きだった
山崎彼に会えて無邪気に喜ぶ広大私が可愛い、純粋に嬉しいのかなって感じ
山崎彼は虚勢を張ってハッとするほど美しいのに松岡私を好きって気持ちがボロボロこぼれてくる公園での再会も嬉しそう。そしてキスでも松岡私をきつく抱きしめる、松岡私の反応で我に返り、美しくて魅力的な「俺」を取り繕ってしまうけれど。
山崎彼は大学を移っての半年で狂ってしまった感じだった。だから広大私がコントロールできないヤバい子だった、広大私が戸惑うくらいに始めからヤバかった。
飛び級で入った大学を4年になって諦めたことで父親にかなり言われたのかなぁ…って感じで壊れてた。残念ながら学力ではついていけなかったのか。
飛び級で入った大学を4年になって諦めたことで父親にかなり言われたのかなぁ…って感じで壊れてた。残念ながら学力ではついていけなかったのか。
成河私がにゃんこ🐈に見えてしまう優しい炎の福士彼のナデナデと違い、山崎彼はちゃんと広大私と認識して触っててくれてるので、なんだかほっとして嬉しくなっちゃいました笑
ニーチェがいう「超人」を上辺だけでとらえて勝手に陶酔している愚かで幼いいきっている山崎彼。でもそうしなければならない何かがあったのか、もともと、高校生の頃から窃盗や放火をしているので、おそらくもっと小さい頃からも、皆を夢中にするいい子でいるために、抑圧された気持ちをいたずらや軽犯罪でごまかしてきた子なんだろけれど、ずっと一緒にいたはずの松岡私が山崎彼をみて戸惑っているように見えた、離れていた半年で何があったのか。
その彼をなんとかこちら側へ引き止めたい松岡私、彼と話をしながらどうしたんだ、どうすればいい、なんていえばいいとフル回転で考えている、考えているけれど「お前がいなきゃだめなんだ」と言われると心は揺らぐ、全身全霊で好きなんだからそりゃそうだよね。
契約書の血のサインもまぁ山崎彼の幸せそうなこと、その高揚感を心配そうに見つめる松岡私のことなんて全然気にしていない。
強盗の後、興奮が少し落ち着いた後、上を向いて息ができないかのような山崎彼が痛々しい。けれど、松岡私は冷静に迫ってくる。松岡私にとっては、強盗のスリルを楽しんじゃいない、彼との契約を守り彼の要求だから付き合っただけだから・・・。けれど彼はきっとこのスリルを共有して欲しかった、この渇きをわかってくれるのは「私」しかいないとわかっているから。
契約書を盾に要求を迫る松岡私、「私」にとって契約書は「手段」の一つでしかないので、破くこともできるけれど、「彼」にそれはできない。
特に家の裕福さも学力も格差が大きいこの二人にとって、「台頭で平等な立場」を求めたのは彼だから。
計画で殺人計画を思いつき興奮する彼をなんとか抑えようとする松岡私なのに、気づくと彼の計画を具体化させて補強してしまって、実現に着き進めさせてしまう、自分でも何がどうなっているのかわからない。気づけば禁断の森へ迷い込んでしまっている。
塩酸を確認するとき福士彼は臭いを嗅ぐ、塩酸かなりの刺激臭だから思わず顔を背ける福士彼、それに対して山崎彼は瓶の中を覗き込んで入ってる量を確認していた。
松岡山崎ペアの超人たちで興奮したままお互いぎゅって抱きつく姿が、あまりに尊くて愛おしい二人なんですが、殺人者なんだよね…。松岡私の手を取り立ち上がらせる山崎彼の神々しいまでの美しさよ。
眼鏡を落としたことに気づいた後、それでも何とかしたいと思う松岡私だけれど、興奮して暴走していく、山崎彼を止められない。勢いのままに考えもなく松岡私に当たり散らす、それが松岡私の地雷を踏んだとも気づかずに。
山崎彼を見限ろうと思ったはずなのに、やはり見捨てられない。「わかったよ、なんでもしてあげるね」、そう、松岡私には母性を感じてしまう。なんとか守ろうと包み込もうとしてしまっているようで、でもでも、それでは山崎彼は救われない。
そういえば判決が出る前の夜の動き「私は寝たふりをして全てを聞きました」を松岡私は横になってから言ったけれど、成河私は言い終わってから横になるんだよね。東京で動きが違った印象はないけれどどうだったかな。
死にたくないという山崎彼の嘆きから苦しそうに顔を背ける松岡私、東京で観た時は客席に背中を向けて丸くなってしまったけれど、ただ顔をそむけただけだった。
護送車の中で怖くなんてないさと強がってみせる山崎彼を解放するかのように、彼の重荷を自分が背負うつもりで、全て自分が仕組んだという松岡私、それが山崎彼を壊してしまうことも気付かずに、私もまた19歳のこどもだからだ・・・。
そして、現実では永遠に彼を失った私は禁断の森に迷い込んだまま。
仮釈放で自由となった意味も分からないまま、「共犯者」という最後の絆も失ってのラストの表情が突き刺さった。
松岡山崎ペア、東京から大阪まで完走できてたらもっと行けたはず!
特に感性型の山崎くんにとって中断は痛かったのでは、けれどその感性のまま彼になって、いくつか台詞も変わってしまい、歌声のコントロールもところどころ見失っていたけれど、そこには確かに生身の彼が息づいていた。
松岡くんは頭のいい子なんだろうな、知的な松岡くんと感性の山崎くんのペアの相性の良さを最後の最後に見せつけられた感。次回への期待が膨らむまた新たな私と彼
長く二人でやって欲しいと切に願う。