アカデミー賞で音響賞を受賞した作品。

Amazon制作ということで、Amazonプライムで見られるので、GWのまったり中に視聴。

 

あ~もうこれは、ぜひ見て聞いて欲しいとしか言いようがない。

ラストシーンで何を感じるのか、何を思うのか、人それぞれなのかもしれないけれど。
 

 

 

ネタバレありです。

 

「人工内耳」で音を取り戻す主人公、でもそれは人工的な音だ、確か訓練である程度自然に聞こえるようになると聞いたことがあるけれど、人の耳は繊細に音を聞き分けて選別しているので、単純に「音」が効けるだけでは、過去に聞いていた音にはならないらしい。

けれど、静寂の中に音を取り戻すというのは凄い事だし、素晴らしい技術だと思う。

 

以前聞いたことがある。全盲の世界は真っ暗闇ではないと、同様に全く聞こえない世界も静寂ではないとか。ふと、全盲の同僚から聴いた話を思い出す。幼いころから視覚障害を持っていると見えない状態が普通だから、怖さを感じないけれど、ある程度の年齢になってから視覚を失った人には盲導犬と歩くことが安心をくれると。はっとした。

 

私たちは「見える」「聞こえる」世界が”普通”だと思っているけれど、そうではないのかもしれない。ルーベンが最後に辿り着く境地は、、、失ってしまったものは取り戻せない、失ったことを嘆いて生きていくのか、そのことを受け入れるのか。。。けれど、どちらかを選ぶ必要があるのかなとも思う。失った聴覚を人工内耳で補うときも、またそれを外してありのままでいるときも、どちらもあっていいのではないかしらとも。

 

誰もが「今」の自分にはとどまっていられないのだ・・・そんなことを強く感じさせてくれる映画だった。