世界文化社のドレミファブック
子供の頃大好きで繰り返し繰り返し聞いていました。その中でも特に記憶に刻み込まれているのがこの
「宇宙船ぺぺぺぺラン」
(作・脚色 谷川俊太郎 作曲 湯浅譲二 編曲 服部公一)
おじいさんを演じているのは益田喜頓
貴重な音源を公開してくれている方がいて、久しぶりに聞いたら、絵本の絵まで全部覚えてました。
ある夕暮れに子どもたちの前に現れてた一人の老人が、こどもたちにせがまれて歌う、未来の話だよと言いながら・・・
ぺぺぺぺランは宇宙船🎵
子ども27人を乗せて紫色の暁に、アンドロメダへ飛び立つ
来る日来る年飛び続け、年頃になった子供たちは次から次に結婚。
けれど子どもは27人、ひとり残ったひとり者、ひとりぼっちの料理番の弱虫ロン
その時ぶつかる大ほうき星、胴体に空いた大穴を
弱虫ロンはべそをかきかなづち片手見事に直す
それなのに、
大事な時間無駄にできぬと弱虫ロンを置き去りに宇宙船は行ってしまった
キラキラ光る星の中、弱虫ロンは気が触れて
星の間を漂って大きな声で歌を歌う
そして気づくと老人は消えていた…
一番聞いていたのは小学生低学年の頃だと思います。中学生になると殆ど聞いていないので。おじいさんの話を聞いて子供たちは自分が置き去りにされたロンになった気持ちになったと語られます。
私もロンになって聞いていたのか、それとも長い旅路の果てに懐かしい故郷の地球に帰ってきたロンの魂であるおじいさんになっていたのか・・・。
おじいさんが誰であるかは語られていません、けれど、子どもの時からおじいさんはロンの魂だと信じて疑っていませんでした。今でもそう信じています。
この哀しい話のどこが小さな子どもを惹きつけたのか、今でもよくわかりません。
ペペペペランは宇宙船というフレーズが印象的だったこともあるにしても、絵本の挿絵に描かれたおじいさんの哀しみの瞳も忘れられないのです。
今改めて聞いても当時の言葉にできない想いが蘇ってしまい、やはり言葉にできません。
いつか言葉にできる日が来るのでしょうか。
一つ言えるのは、10歳の「人間」になる年齢に達する前にこのペペペペランに出逢えたことは、幸せだなということ・・・。