1日で3ペアを全て観られる日が東京公演では何日かあるが、ピアニストも3人聴けるのは実はこの14日のみ。

 

元々は今回初登場の若手ペア、松岡・山崎ペアだけを観る予定だったのですが、友人からソワレの成河・福士ペアを譲ってもらい、そうなると田代・新納の初演ペアを観たくなって、探しましたよ~~。そして親切な方からお譲り頂くことができて、シアターウエストへおこもりしてきましたw

盛大にネタバレしまくってますので、ご容赦くださいませ~~

 

 

 

まずは伝説の初演ペア。キーワードは「究極の愛」

 

朴さんのピアノは音のひとつひとつが粒だってて、ピアノが光景を作り出してくれるよね。

 しっかし、究極の愛!!これか!!! 

にろまりなるほどーーー 愛憎劇なんだ!! 

新納彼、優し過ぎるよ!!! それじゃあ破滅しかなかったよねえーんえーん

それにしても肉体関係ありありの生々しさよ!!

そうそう、初演ペアはやさしい炎の触っての後、にろ彼まり私の左手を右手で握って、左手へ持ち替えてそのまま握りっぱなし。階段の手すりを取らないのよ~~。きゃ~~やらし~~ラブ

 

 

凄かった!! 若手ペア増やしたい!!
今日の山崎彼が素晴らしかった。家の財力だけでなく、学力も歴然と広大私と差があって、身の丈に合わない服を着て背伸びして、だから、自分をニーチェの超人だと思い込もうとしてるところが痛々しくて、広大私が本物の天才なだけに、しんどいわ
2年の飛び級、広大私はもっと飛び抜けてたけど、
山崎彼はかなり無理してたんじゃないかな、だから大学を移ったのかなと思っちゃった
 
松岡×山崎ペアという、リアル私彼世代の新ペアが登場したのは素晴らしいことだなぁと改めて思う。 また今日の二人が素晴らしかったんだわ。 格差のある二人、でも惹かれあってしまう二人。 恐怖はなくただただ悲しい99年・・・ ちょっと本気で増やしたいんですけど。
しっかし、松岡広大いい役者だなぁ。 山崎大輝ほんと魅力的だなぁ。 等身大で才能溢れる彼らが紡ぐスリルミーの行く先を追いかけたくな。 若さゆえの揺らぎ、化学反応の爆発が見せるその瞬間だけに立ち上がってくるであろう、一瞬一瞬の「私」と「彼」を。
(ということで、追いチケしちゃった💦)

最後は成福ペア はぁ、消耗度合いが違いすぎた…

見比べて改めて思ったのは、成河さん、照明の当たり方が神がかってる!! 54歳になると髪はグレーに薄くパサつき、顔は弛み皺がよる。なんだ、ありゃ!!

34年後の私が語るあの時の私と彼。 ということは、私はあの時の二人を繰り返し思い出し、彼を追い詰めた自分への後悔をそれこそ永遠に続けてきたんだよなぁ。見えてたのに、気づいていたのに見ていなかった気づかぬふりをした彼の苦悩・焦燥感を繰り返し繰り返し…

 

 

1日で3ペア、ピアノも入れて3トリオコンプリート。 12時、15時、18時開演で最後の終演19時40分、上演時間300分で5時間、休憩込み7時間40分。 意外に行けます。平気です。 11日の宝塚の望海風斗ラストディなんて休憩1回35分のみで13時半開始19時前終了ですから。
これは初演ペア、若手ペア、成福ペアの順だったからいけたのかも?
最初が成福だったらそこで消耗しすぎてしまって無理だったかもなぁとキャストスケジュールみたら、 1日で3ペアの日は下記の通りでした。

● 初演-若手-成福 3回

● 若手-初演-成福 2回

● 初演-成福-若手 1回

● 成福-若手-初演 1回

 
今日一番心揺さぶられたのは若手ペアだった。成福は抉られて動けない感じ。
 
三者三様の #スリルミー ピアノの三人全然違うのね。三人目の出演者という感じの朴さん、寄り添う落合さん、篠塚さんは私がまだちょっとつかみきれてないけれど、どなたかが、篠塚さんのピアノだと田代・新納ペアがドラマティックに歌うと書かれていたような・・・。
ピアノとペアの組み合わせでもかなり変わるから、若手ペアも違うピアノで聴いてみたいな。
 
細かい動きも違ってた。 一番違うのはM5やさしい炎の触っての後のバックハグ。
新納彼は田代私の左手を右手で握った後、座る時に左手に代えて握ったまま抱きしめている。もちろん右手は田代私を触っている
福士彼は成河私の左手を右手で握ったまま、成河私を腕の中に入れて、左手は成河私から離して手すりをもつ。
山崎彼は松岡私の左手を右手で持ち、そのまま座った後は、左手を離して手すりを持つ。右手は松岡私を抱いている。
 
M3僕はわかってるで双眼鏡で彼を見るのは田代私だけ。 
 
M10スリルミーの私のネクタイを落とすタイミングが成福だけ違う。 シャツのボタンまで外すのは新納彼。福士彼だけスリルミーの後ネクタイを手に持ったまま、M11の計画で成河私の首に沿わす、まるでロープで首を絞めるように・・・
 
M5やさしい炎で、福士彼が見ていたのは(見せてくれたのは)満天の星空の下で揺らめく倉庫が燃える炎、山崎彼が見ていたのは(見せてくれたのは)炎が登っていた先にある星が瞬く濃い夜空 この違いも面白かった。福士彼の方が「炎」に取りつかれている度合が深く感じる。
 
初演ペアが一番お金持ちって感じ。にろ彼、まり私から自然に漂うノーブルさ。 特に新納彼は没落貴族の跡取り息子という感じ、だからこそのしんどさもあるよね。 田代私は、そのまんま金持ちの坊ちゃん、しかも成金ではなく代々続く名家。
松岡・山崎ペアが一番二人の間に格差を感じた。 家の財力も本人たちの学力(知能)も。 広大私は本物の天才、成河私はサイコパス的天才、山崎彼は秀才って感じかな。福士彼は天才だけど成河私のようにずば抜けてはいないのかな。
 
田代・新納ペア:田代私がまさに恋は盲目で猪突猛進で彼に溺れてる。またとてつもなく優しい彼がそれを受け入れてしまっている。どう考えてもさっさと逃げるべきだったのに…。新納彼優しすぎるよ~~その先には破滅しかないのに~~
 
成河・福士ペア 好きとか嫌いとかそんなものをではなくもっと奥底で出会ってしまった二人。まさに半身のように。でもその出会いは破滅の始まり。逃げたくて逃れたくて、なのに私にからめとられてしまっている彼。それにしても福士彼美しすぎる~~。
 
松岡・山崎ペア 幼い純粋な友情から始まった二人に見えた。でも二人の間には歴然とした格差があり、それに苦しむ彼、父親が、私が見ている自分になろうと必死に虚勢をはっている。「お前がいないとだめなんだ」が彼の本心としてそのまま響いてくる。
でも虚勢を張った秀才の山崎彼にとって、無邪気な天才、松岡私に懐かれて愛されることは、ほんとしんどいよなぁ。山崎彼悲しいな~~~。
 
契約書に血でサインをした後、「私」のハンカチで指を拭うのは福士彼だけなのね! そして、成河私は二人の血の付いたハンカチをどうしただろうと妄想すると怖すぎるんだがガーン
 
ニロマリ、めっちゃ濡れ場が妄想させられちゃって赤面ポイントが何度か。そもそも「ただの友達じゃない」がうわ~~って第一の赤面ポイントでした…。
 
M11計画
成河私は福士彼を壊してしまったことに気づかずに、彼の計画を冗談のようにきいて、どこかでジョークとして押し通そうとして、更に福士彼を狂気へ突き落す、そして、成河私は自分が戻れない道に迷い込み、34年経ってもあの時を繰り返し思い出してる、自傷行為を続けてるのか・・・
 
M11計画
松岡私は狂気へ踏み込んだ山崎彼に脊髄反射のように「誘拐でもする?」と脊髄反射的に答えてしまって、そのことで山崎彼が殺人の具体的なイメージを膨らませてしまったことにおののき、松岡私も禁断の森に迷い込んでしまう。
 
M11計画
田代私は、新納彼の欲しい言葉を無意識に探して考えて発しているのだろうけど、それがどれもこれもずれている感じが痛々しい。 田代私が踏み入れた戻れない道は悲しい。 究極の愛なんだろうなぁ…。
 
歌のうまさは断然田代×新納ペアだけど、歌声の相性は成河×福士ペアが異次元に飛びぬけてて、化学反応的な面白さを感じさせるのは松岡×山崎ペアでした。
 
とうことで公開された動画をどうぞ♪
 
<田代×新納>
 
<松岡×山崎>
 
「私」に金をせびる弟もまた資本主義と家父長制のなかでゆがんでると思ってる
 
そうそう、あなたは自由だと言われたあとの、「自由、自由」は演出で「じ、ゆ、う?」という風に言わせてるのかな。初演も若手も2018成福そんな感じだった。でも今期の成河私は「自由」と言ってる気がする、だとすると「自由」を言葉として認識している今期はある意味面白いな。
 
朴さんピアノは補ってくれる。落合さんピアノは寄り添ってくれるって感じかな。
私、彼、ピアノ、観客のジャズセッションのような真剣勝負なのかもなぁ。
同時進行で読んでいた平野啓一郎の最新作『本心』の言葉が突き刺さる

「何も求められないのは、救われないのと同じくらい孤独」

「現在を生きながら、同時に過去を生きることは、どうしてこれほど甘美なのだろうか。」

 

そして『モーツァルト』で歌われる♪星から降る金

「愛とは解き放つことよ、愛とは離れたあげること、自分の幸せのためでなく、涙こらえ伝えよう」という歌詞に打ちのめされる

 

まだまだ東京公演も前半戦。ここからこの3ペア、どんな世界を見せてくれるのか、どんな感情・思考を引き出してくれるのか、楽しみ過ぎるわ。

 
ちなみに、私はこの話を↓こうとらえてます。
子どもたちを、子どもだけの狭い世界で発酵させたら、犠牲の羊が生まれて、子どもたちは二度とこちらへ戻ってこなかったという話だ。所詮中二病を拗らせたままの勘違いガキンチョたちの話とも思える。彼の色気だけは大人顔負けなんだけどなてへぺろ