KAATに行けなかったので、やっと観られた『子午線の祀り』、2017年も行けなかったので、実際に劇場で観劇するのは初めて。
「コロナバージョン」も今回は、テレビ放送で見た2017年版よりも、出演者も上演時間も刈り込まれて、そぎ落とされた舞台という印象が強い。
極限まで舞台を下げて、ローマの古代劇場のように観客が見下ろす舞台。
暮れゆく瀬戸内の波打ち際に一人座り、波の音を聞いていたら、海に沈んだ者たちが浮かび上がり、彼らの物語を見ていたら夜が明けた、そんな一夜の夢のようでもあった。
平知盛とか佐藤忠信、梶原景時とか歌舞伎の印象が強すぎて、案外義経&弁慶は歌舞伎以外でも様々観ているのでそんなことはないのですけどね。
それにしても義経のおこちゃまぶり、知盛の人の話聞け!とか、まぁこういっては何ですが、こんな大将は嫌だなぁ、苦労ばかりよなぁ、惹かれちゃうんだろうなぁ。
と「じゃあどうすればいいんだ!!!」と甲高い声で喚くヒステリーを起こした成河義経を前に、「どうすればよいかわかりません」と小さくなってしまった星弁慶を見て思った。
いや、もうねぇ。萬斎さん相変わらず凄すぎるし、前回はう~~ん流石にこのメンバーの中では・・・と感じた成河さんもまぁ見事なんだけど、村田雄浩さんの民部と吉見さんの梶原に持っていかれたわ。特に民部!!!!!ごめんなさい。語彙が貧困で語る術を持ちませんが、民部が私と物語を繋いでくれたというか、あ~~とにかく村田民部ですよ
!!!!!!
そして吉見さんの梶原が好きすぎるわ。今井さんの梶原にも未練があったけれど、いや~~好き。(今井さんのアリージャンスのマイク正岡も素晴らしいのでもう未練ないわ)。どこが好きって、もう理屈なしに好きなので、勘弁してくだされませ。
河原崎宗盛も愛嬌たっぷりで、知盛よりもむしろ共感しちゃった。
成河義経をみてて、ふと「麒麟が来る」の染谷信長を思い出しちゃった。それにしても相変わらずの身のこなしで、成河さんの身体能力どうなってるの
源氏の白旗に平氏の赤旗、でも白い衣装の知盛に赤い衣装の義経、この対比も素晴らしいな。松井るみ氏の美術の静逸の美しさ。
でも鏡の床とレザーかな?の衣装なのか靴なのか、きゅっきゅ音が気になって集中が途切れるのには参った。
源平合戦ってまぁ狭い世界の中で殺し合いしちゃって、勝敗なんて、所詮潮の満ち引きの気まぐれ、そして人々の悲しみが海に沈んでいる・・・。
ところで、各速度毎時14度30分、地球の自転速度(24時間で1回転=360度、毎時15度)と月の公転速度(約28日で1回転=360度、一日で約12度、毎時30分)から、地球上のある地点における見かけ上の月の移動速度なんだよなぁ。
いや、数字が出てくると、どうしても頭の中で図を書いて物理の問題を解きたいモードになっちゃってww だから潮の速度の「ノット」にも反応しちゃって、お~潮目が変わったけど、まだ速度は遅いねとかさ
木下順二の戯曲を読んでみるかな。