野田秀樹の生の舞台は初めて。宮沢りえも。。。。
15年前を思い出して、怖くて気持ち悪くて、身近にあった危険というか恐怖というか、そんなものというか、集団の怖さなのか、なんというか、やっぱり集団の怖さかな。
事件を報じるテレビ映像が舞台に重なる演出に恐怖と嫌悪感を誘発されて。
でももう一度観たいような、もう二度と観たくないような。

 

これ、同僚に誘ってもらって軽い気持ちで観に行って、あまりの恐怖と嫌悪感に同僚に心配される程だったのです。

 

モチーフとなっているオウム真理教が1995年に起こした地下鉄サリン事件。

大学時代にあまりに身近にあったオウム真理教、出家した先輩もいる、学祭に来た麻原彰晃を垣間見て気持ち悪くなったこともある。思い起こせば高校生の頃が熊本に道場を開いた麻原のことをネタにしていた。

松本サリン事件からの地下鉄サリン事件の恐怖、そして上九一色村の強制捜査を生中継を出家した先輩たちがいたらどうしようと背筋を凍らせながら見たこと。その後時がたち、このキャラクターの観劇から数年後、会社に非常勤できてくださっている先生が地下鉄サリン事件の被害者だったと知り、会社の上司が電車1本の差で被害から免れたことを知る。今でも「洗脳」に通ずるものには、本能的に恐怖と嫌悪感を感じてしまう。だからいわゆる自己啓発セミナー系もダメなのだ。社会人となってマネジメント研修として行われた課題解決型のオリエンすらも・・・。議論をすると、大多数の意見に賛成でもわざと反対のことを言ってひっかきまわしたくなるのも、全ては「集団」に取り込まれて自分を見失っているのではないか、そう「洗脳」されているのではないか、という恐怖からだ。

 

物語の最後、宮沢りえ演じるマドロミがソンハ演じる弟アポロンへ、幻という文字に1画付けたし、「幼」と変える、そう、人は大人にならなきゃいけない、自分の足で現実にしっかり立っていないと、幻に惑わされて幼く未熟なままに、取り返しのつかないことをしてしまう、お前はどうなんだと突き付けられる。

 

その後WOWOWで放送された時に録画したのだけれど、やっぱり怖すぎて残しておくことが出来ずに一度だけ見て消してしまったことが悔やまれる。思えばこれが初めてみた成河さんの舞台だったんだよなぁ。

あ~~こうして思い出すだけで恐怖と嫌悪感がまとわりつく・・・