25周年ガラコン繋がりで、
1996年に雪組で初演され、同年星組で再演。で翌年の1997年に開催された初めてのガラコンサート。ドラマシティで2日間、東京厚生年金会館で2日間だけの幻のコンサート
出演者
一路真輝・高嶺ふぶき・紫吹淳・月影瞳・楊淑美・真織由季・古代みず希・朱未知留・真樹めぐみ
コーラス:澪うらら・愛音羽麗・拓麻早希・陽色萌・眞宮由妃・聖れい・牧勢海・宝生ルミ・玲有希・月城美咲・彩音瑛花・蓮城ルナ・萌希彩人
公演日
大阪:1997年9月6、7日
東京:1997年9月13日、14日
公演会場
シアター・ドラマシティ / 東京厚生年金会館 大ホール
トート(一路真輝)
エリザベート(月影瞳・楊淑美)
フランツ(高嶺ふぶき)
ルキーニ(紫吹淳)
ルドルフ他(真織由季)
ゾフィー、マダム・ヴォルフ(朱未知留)
マックス(古城みず希)
少年ルドルフ(月影瞳)
ヴィンデッシュ他(真樹めぐみ)
【当時の感想】
あの”エリザベート”がガラコンサートとして戻ってきた。しかもみつよさんも出演し、なんとも豪華なメンバーで。それにしてもやはり”エリザベート”は素晴らしすぎる。
ガラコンサートということでオーケストラもオンステージで9名の出演者はマイクを持ち歌い継いでいく。ダンスも衣装も無く、研一のコーラス13名がいるだけの舞台。メイクも普段のものとあまり変わらず衣装も皆黒で統一されただけの簡素なもの。それで充分だった。いや逆に余計なものがそぎ落とされたエリザベートの神髄を見せられた気がする。
こんな舞台にはそう簡単に出会えるものではないだろう。実力者のみが見せつける緊張感漂う世界はあの「エリザベート」を初めて観た時の衝撃を思い出させてくれた。このミュージカルは音楽だけで、歌だけで十分なのだ。まず歌なのだと改めて思わされた。
そして何よりも出演者も素晴らしい。一路のトートに、高嶺のフランツに、朱のゾフィーにまた出会えるなんてそれだけでも感激だった。
何よりトートの一路はすごすぎる。決して大きくない体がとんでもないその存在感でどれほど大きく見えたことか。圧倒的な出来だった。やはりこれなおだと思う。
朱のゾフィー、メイクも普通で本当に見とれる程美しいのに、その何気ない動きと表情がゾフィーそのもので怖すぎる。シシィへのしつけシーン等あまりの迫力に客席のこちらが睨まれて説教されているようで、怖くて怖くて目が離せなかった。
そしてマダム・ヴォルフ!(初演の)美穂も良かったが、これこそ朱の本領発揮ともいえる程、本当にのびのびとド迫力で歌っていて圧倒される。
高嶺はなんだか疲れているようにみえたが。
真織はエルマーら色々歌ってはいたが、ルドルフに賭けた感じ。父親との葛藤から母親へ見捨てられたと自殺するまでのルドルフの精神が壊れていく様を的確な演技力と素晴らしい歌で見事に見せてくれた。案外一番ルドルフに会ってる人かもしれない。(※この時点でルドルフを演じたのは、雪組大劇場:香寿たつき、東京:和央ようか、新人公演:貴城けい、星組:絵真緒ゆう、新人公演:眉月凰)
古代はやはり組長で挨拶がありなんとも嬉しい。それでもプロローグのソロの前は手が震えていてよほど皆緊張していたようだ。
ルキーニの紫吹は(星組)大劇場公演からは見違える程上手くなっていた。
一幕のシシィ月影は二幕の少年ルドルフとともにとても愛らしく歌もすごく上手かった。特に”私だけに”は安心して聞けた。
二幕シシィを歌った楊先生は素敵。歌が上手いのは当然ともいえるが、何より美しかったのは姿勢。月影も見習えばよいのに。
真樹はやはり芸達者な人だった。