花總まりは何といってもビデオで観た『白夜伝説』のミーミル(当時研2)が衝撃で、ずっと仲間内では花總まりのことをミーミルちゃんって言ってたなぁ。

花總まりの舞台を生で観たのは1993年の星組公演『うたかたの恋』のミリー、う~~ん、なんだろいまいち地味だなという程度の印象。紫苑ゆうの怪我による大劇場公演休演で男役が麻路さき以下皆代役公演の奮闘公演だったので、娘役に目がいかなかったというのもありますが。

 

1993年のTMPスペシャルで一路真輝と組んだのを見ておや?と思ってからの雪組への組替え発表、初雪組公演はトップ娘役の紫ともの退団公演。お芝居の『ブルボンの封印』のマリエールは印象に残っていません。丁度純名里沙が朝ドラ「ピアノ」のヒロインに決まって収録で舞台を離れる公演で、途中でお芝居の劇中のソロとエトワールが朱未知留(初エトワール)になった印象が強い。そして、『コート・ダジュール』大好きな公演ですが、何せ紫ともちゃんの扱いが…。作・演出の小原先生が病気のため演出を石田先生が引き継いだはいいけれど、ともちゃんの扱いに小原先生が病床から心配して東京公演では演出を変えてくれたという作品。こちらが小原先生の遺作になんたんだよなぁ。

で、花總まり、ロケットガールでそのスタイルに目が釘付け。華もある!。当時出たラジオ番組で「つくりむね」という衝撃発言もあり、まぁなんという子だろうとびっくり

それでも雪組ファンとしてはどことなく、ともちゃんと純名を追い出して、一路さんとのバランスもいまいちなのになぁという思いがあった。

 

そして、『二人だけの戦場』で花總まりと本当の意味で出逢う。ファンになったというよりもそんなことを超越して、この人の舞台を沢山観たいと色々な役を見たいと強く思い、彼女の舞台には絶対の信頼がおけると確信した。この作品の思い出はまた改めて語るとして、垣間見えるオフの花ちゃんの正直で飾らないかわいいエピソードも魅力的で。

 

絶対的なスタイルの良さと、どんな役をしても決して失われない気品(個人的には下品にならないというのは宝塚の娘役としての必須条件だと思ってます)。どこか満たされない薄幸さと決してぶれない自分を持っている強さ、それは他人を拒絶するような冷たさも持ち合わせて、その危うさと繊細さ。その持ち味を存分に発揮したのが当たり役のシシィかと。

歌もダンスも飛びぬけて上手だったわけではないけれど、心情を乗せるのがうまく、ドレス捌きのの優雅さは素晴らしいし、歌はみるみる上手くなったのだから、尊敬するしかない。

 

今年はコロナ禍でエリザベートの初日が遅れてしまったけれど、けれど、今なお花總まりのシシィを観ることができることはなんて幸せなんでしょう。

 

ところでたった一度だけ花總まりのお茶会に行ったことがあります。そして抽選会でなんと直筆サイン色紙が当たったという。はい家宝ですわ。