
ジャン・バルジャン 佐藤隆紀
ジャベール 上原理生
ファンテーヌ 知念里奈
エポニーヌ 昆夏美
マリウス 内藤大希
コゼット 小南満佑子
テナルディエ 斉藤司
マダム・テナルディエ 鈴木ほのか
アンジョルラス 上山竜治
シュガーさんのジャン・バルジャンを観たいと思い続けて3年半。遂にその瞬間に立ち合った夜。
神に対峙して神を見続けた慈愛のバルジャン。自分に厳しい愛の人。ジャン・バルジャンがそこにいた。初日の緊張もあっただろうし、技術的に発展途上の部分もあるのだけれど、深い愛と押さえきれない激情を秘めて神を見続ける姿はジャン・バルジャンそのものだった。
初舞台からわずか4年。33歳の若いジャン・バルジャン。立ち回り等動きの多いバルジャン。去年のマタハリで歩き方を覚えたら...なんて思ってた事を考えるとその努力を想像すると頭が下がる。
もっと歌が全面にくるかと思いきや、かなり芝居歌だった。プロローグから独白まではまだ固かったのでこれから馴染んでくると歌声をコントロールして聴かせてくれそう。ここが始まり。どこまで行くのか。しかしパパが似合う。一幕終わりの「One Day More」で響わたる歌声は圧巻。「Bring him home」でバルジャンの愛に包まれて涙腺崩壊。
大切な燭台に灯をともし、愛するコゼットとマリウスに看取られたラストシーンに幸せを感じたのは何だろう。人を愛して神に近づけたバルジャンだからなのか。
上原ジャベール。怒りのジャベール。低音を響かせてド迫力。対決シーンでバルジャンとジャベールの声がクリアに聞こえる二人の声の相性の良さ。自分の怒りの矛先を失った時、その怒りに巻き込まれて命を絶ったようにも見えた。そんな風に感じたことはなかったので新鮮。しかし格好良いわぁ。
内藤マリウス。内藤さんを観るのはお初?かな。写真だけではわからなかったけれど、愛される人マリウス。愛したくなる人マリウス。小南コゼットとのバランスもよくて、二人が希望の象徴ということが腑に落ちる。バルジャン、ファンテーヌ、エポニーヌ…二人を愛した人々が見守るラストシーンが美しい。
斉藤テナルディエ。うまいわ。ふとした間が面白い。ちょっと高めの歌声もいい。飄々と嫌な奴で。マダム…迫力でしたが、鳳蘭の恐いマダムに寄ってくれるんじゃないかと期待しちゃっていたので💦。
ガブローシュの小林佑玖くんが上手。泣かされた。
ずっと緊張してみてたので冷静でなかったのだけれど、二幕のバリケードには弱い。武器の使い方も知らない学生たちが命を散らすのは辛すぎて…。
まとまらないので、この辺で。佐藤バルジャン×川口ジャベールも観てみたかったな…。