ロバート:千葉哲也
ブルース:成河
クリストファー:章平

20世紀末、恐らく1998年か1999年か頃のイギリスの精神病院での二日間。退院を控えた患者クリストファーを巡って若い研修医のブルースとその上司で指導医のロバートの意見が対立する。イギリスでの初演は2000年、日本初演は2010年。

描かれている時代、黒人患者と白人医者達という構図、背景に在るものを色々知り考えるとまた違った見え方にもなるけれど、無意識の差別、上司と部下、社会からの疎外感、保身、出世欲、傲慢さ、噛み合わない会話、思い込みの正義感の厭らしさ、好きだけど嫌い。本当の自分、考えた発した筈なのに全く違う意味を纏ってしまう言葉たち。
余りに身近過ぎてグサグサ刺さって来て忘れていたと思ってた記憶が経験が感情が、呼び起こされてしまう。

あるある~ってケラケラ笑えるシーンも多いし、テンポ良い軽やかさを持って進行するし、ラストシーンで私としては救われるのだけれど、ずっとじわじわ呼び起こされ続けている。

細長く作られたステージを客席が挟む形式なので、診察室を覗き見している感覚も、すぐそこで実際に起こっているリアルさがあるのかもな。

それにしても三人とも演じている感がなくて、本人そのものとしか思えないわ。章平さんは初めましてだけれど、成河さんと千葉さんは髑髏城の七人の映像を観たばかりだし💦。
ちなみに初日に一緒に観た友人は、成河さんが好青年!!信じられない。本当に成河さん??って(笑)。生でルキーニや天魔王観てるものね(笑)。なお彼女は上司部下のやり取りがリアルすぎて怖くて辛いのでもう一回観たいけれど観にいけないと。

観る度に違った感情が出てくるので、これから楽しみだな。ちなみに2回目はブルース嫌いでした。わからんでもないけれど、嫌いでした(笑)。