題の柿落しからもう2年。WOWOWの放送も今月は下弦の月。こうやって当時の感動をもう一度味わえるのはいいわぁ。
劇団☆新感線のゲキシネは蛮幽鬼以来。もうこれは舞台中継というより映画だわ。スローモーション等やどこにカメラを!というようなアングルからの映像にカット割り。漫画アラベスクでバレエ『アラベスク』を映画化するとき、レオがここはスローモーションで撮ると言ってたなぁなんて(笑)。とにかく映画なのですわ。だからカットシーンもあるし、アップも多い。ということで、また新たな発見がありました。
元々は捨之介と天魔王を古田新太が二役で演じてた髑髏城の七人。ワカドクロまでは映像でしか観てないが、捨之介と天魔王の演者を分けるとこで蘭兵衛も含めた信長につかえた三人の立ち位置が明確になるこのパターンも好き。
画面一杯の月から始り成河天魔王が敦盛を舞う。二年前に観たとき、正直なところ、ここだけは、正確に言うと敦盛だけは物足りないというか、うーんなんだか動きが違うんだよなぁと感じてしまっていたのだけれど、天魔王が舞うのだから、これでいいのかと思えた。寄りの映像で天魔王自身に集中できたからだろうし、ゲキシネならではの良さだな。
改めて花はバランスが良くて王道感があるので、こちらもどっしりと安心して観られる。
小栗捨の主役としての求心力。正気に戻ったとき沙霧が思わず抱きついた時の柔らかな包容力もいい。軽さと柔らかさの中のどこか冷徹さを感じされる強い眼差しもいいわぁ。とにかくカッコいい

山本蘭兵衛、いい表情するよねぇ。二幕のくどきはどうしても天魔王ばかり見てしまっていたので、アップでしっかり見られて良かった。自分だけが生き残ったことへの苦悩と信長への想いに引き摺られて逃れられずにいるからこそ、天魔王を庇う説得力がある。
りょうの極楽太夫は意外に実際の舞台で観た方が断然映える。実のところ極楽太夫のせりふ回しはあまり好きではないのよ。いのうえさんの演出だと思うので、何方がやってもね。りょう極楽の蘭兵衛とも兵庫ともバランスがいい格好良くて凛と芯がある美しさは好き。
兵庫は...。ごめんね。私の永遠の兵庫はじゅん様なので💦。
沙霧はまぁ身のこなしの軽いこと!捨之介の心を開かせる一途さがいい。どんどんアクションやって欲しいわぁ。
チリンチリンの音だけで笑いが込み上げて来ましたよ!どうしてくれるんですか、古田新太贋鉄斎!
そして、成河天魔王。いやぁ。なんなんですかね。ちょっと異次元ですわ。あれだけ動いてまったく息が乱れないとか化け物ですか?動き回る天魔王、フレームアウトしても見えるって何!あの存在感わけわからない。兄者、あにじゃとまとわりつく鬱陶しさと胡散臭さと冷徹で冷たい目と、この天魔王、絶対生き延びてるよね。その後の天魔王のスピンオフ観たくなってしまった。人々を惹き付けて恐れられる天魔王としてのカリスマとそれでも天にはなれない卑屈さと...
成河さんの芝居は彼自身が常に演じている自分とキャストと観客を俯瞰して見ている冷静さがあるので、安心して物語に身を投じられる。熱演過ぎてで観客が置いてかれることが無い。危険だわ




