経団連は、昨日10日、結婚後も希望すれば、夫婦それぞれ
が生まれ持った姓を戸籍上の姓として使い続けられる、
選択的夫婦別姓制度の早期実現を求める提言を発表しま
した。「政府が一刻も早く改正法案を提出し、国会で建設的
な議論を期待する」としました。経団連として、同制度に
関する提言は、初めてです。ビジネスの現場では旧姓の使用
が進んでいますが、弊害も多く出ているとして、夫婦別姓
を選択できるようにするべきだ、としています。主な政党
で制度導入に変態しているのは自民党だけで、主要経済団体
からの提言を受けて、導入への動きが強まる可能性がある、
と報じられています。財界の総本山を動かしたのは、当事者
である女性役員たちの声、とのこと。〇(ホテルなどを)
部下が予約した姓とカード決済時の姓が異なりトラブル 〇
旧姓使用を続けることによる「ひと手間」が積み重なり負担
になっている 〇株主総会招集通知などで戸籍姓が併記
されることでプライバシーが公表される気持ちになる 〇
グローバル標準に沿った法制度の整備を求める 〇結婚
しても姓を変更しなくていいなら結婚にためらいがなくなる
〇男性にも、改姓による不便さを体験してもらいたい、など
の声が上がっているということです。私自身も、通称を
使っていた時に、一定額以上の取引はできない、国民健康
保険では通称が使えない、パスポートに旧姓使用を併記する
ために苦労、など多くの不便を経験しました。1996年に
法制審議会が選択的夫婦別姓を盛り込んだ民法改正案を答申
した時の法務部会長は父の加藤一郎でした。その後、私も
国会議員として、何度も選択的夫婦別姓の議員立法を提出
しましたが、多数の自民党の反対で議論すらできずにきて
います。自民党への支持が強い経団連からの提言が、動かし
てくれることを期待します。別姓が選べないのは、世界で
日本だけなのですから。