今月1日、水俣病の患者を中心とする関係8団体と環境相

 

との懇談会で、環境省側が複数回、参加者の発言中にマイク

 

を切ったことについて、1週間も経った昨日8日、ようやく

 

伊藤信太朗環境相が、患者側に謝罪しました。熊本県水俣市

 

にあるチッソの工場が排水と一緒に流したメチル水銀が

 

原因の公害病が、水俣病です。環境省の前身の環境庁は、

 

1971年に発足しましたが、その大きな任務が水俣病被害

 

の救済でした。環境省の担当者は、患者側の発言を一人3分

 

とし、それを超えた場合にマイクを切った、事前にマイクを

 

切るという説明はしなかった、ということです。環境相の

 

帰りの新幹線の時間が決まっていた、ということですが、

 

もっと時間に余裕をもたせて、しっかり聞くことが必要と、

 

なぜ判断できなかったのでしょうか。大事な水俣病患者など

 

から意見を聞く機会を、ルーティン化した仕事のひとつと

 

考え、原点を忘れていたとした思えません。自分の役所が

 

所管する患者などの話を聞くことへの緊張感が感じられ

 

ません。私は、厚労相をしたいたとき、原爆被爆者団体との

 

懇談会や、薬害の被害者との懇談会などの時、最も緊張感を

 

もって、あたっていたつもりです。その場で、伊藤環境相

 

が、きちんとした対応をすることができたはずです。

 

しかも、1週間後の謝罪では、環境省や環境相だけでなく、

 

岸田政権のとらえ方の甘さを感じます。謝罪で終わらせる

 

のではなく、2023~24年の地裁判決で、水俣病特別

 

措置法の救済対象外の人も罹患を認定しています。必要な

 

対応をすることで、少しでも患者たちの意見に寄り添うこと

 

が、注目を集めた今回のことで、一層必要になっていると

 

思います。