経済安全保障上に関する重要情報の取り扱いを国が決めた
人に限る「セキュリティークリアランス(適正評価)制度」
を導入する法案が、昨日9日、衆院本会議で与野党の賛成
多数で可決され、今国会での成立は確実、と報じられて
います。この制度では、国が民間の研修者や企業の従業員の
身辺を調査することになります。調査の対象は、犯罪歴、
薬物使用の有無、精神疾患や飲酒の節度、借金など幅広く、
個人の生活の機微に触れ、プライバシー侵害の恐れが拭え
ません。反対は、共産党、れいわ新鮮組などだけで、立憲
などの野党も、賛成しました。たった25時間の審議で、
賛成多数で衆院を通過したことに、納得がいきません。この
法案は、2013年に国会で審議された特定秘密保護法を
同じような仕組みで、この時は激論が交わされ、野党は反対
しました。残された課題は、〇機密指定の範囲が不明確。
政府は今後策定する「運用基準で明確化する」と説明
〇国会の監視の仕組みが恣意的運用の歯止めになりかどうか
〇国の身辺調査を拒否したり、適正を認められなかったり
した人が不当な扱いを受けない仕組みづくり、といわれて
います。特定秘密保護法の対象は、公務員が大多数でした
が、経済安保法案の調査の対象は、民間の人が多くなると
考えられています。様々な課題を残したままの法案、せめて
参院で十分な審議をしてほしいと思います。